公害防止管理者の過去問|令和3年 大規模水質特論 問6  問題と解説

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問題6

図に示す冷却塔を使った開放循環式冷却水系において、定常運転状態で、補給水量、ブロー水量、蒸発水量、飛散水量、及び循環水量は、下図に示す値であった。このとき濃縮倍率として、正しいものはどれか。

  1. 1.5
  2. 1.9
  3. 3.0
  4. 7.5
  5. 17

問題6の解答

正解は「1」です。

問題6の解説

濃縮倍率は「補給水量 ÷(ブロー水量+飛散水量)」で求めます。この問題では1.2 ÷ (0.64 + 0.16) = 1.5となります。

冷却塔では、水は 蒸発・飛散・ブロー で外に出ていきます。その分を 補給水 で足しています。ここで重要なのは、「水は減るけど、塩分などの「汚れ」は蒸発では出ていかない」という点です。

だから、水が蒸発すると残った水はだんだん濃くなる(=濃縮)のです。

解答に至るまでのステップ

ステップ1 「濃縮倍率」とは何かを直感で理解する

濃縮倍率とは、「冷却塔の中の水が、もとの補給水に比べてどれくらい濃くなっているか?」を表す数字です。

  • 濃縮倍率 1 → 濃くなっていない
  • 濃縮倍率 2 → 2倍濃い
  • 濃縮倍率 3 → 3倍濃い

ステップ2 どの水が「汚れを外に出すか」を考える

ここが一番大事です。

汚れ(塩分など)が外に出るのは?

  • 蒸発水 → 水だけ飛ぶ(汚れは残る)
  • 循環水 → 外に出ない
  • ブロー水 → 汚れを含んだ水を捨てる
  • 飛散水 → 汚れを含んだ水が外へ出る

汚れが外に出るのは「ブロー水+飛散水」だけです。

ステップ3 濃縮倍率の式を使う

定常運転では、「入ってくる汚れ量 = 出ていく汚れ量」になります。

この関係から、濃縮倍率は次の式で求められます。

濃縮倍率=補給水量ブロー水量+飛散水量\text{濃縮倍率} = \frac{\text{補給水量}}{\text{ブロー水量} + \text{飛散水量}}

ステップ4 数字を代入する

図より、

  • 補給水量:1.2 m³/h
  • ブロー水量:0.64 m³/h
  • 飛散水量:0.16 m³/h

これを代入します。

濃縮倍率=1.20.64+0.16=1.20.8=1.5\text{濃縮倍率} = \frac{1.2}{0.64 + 0.16} = \frac{1.2}{0.8} = 1.5

問題のポイント

この問題でよくある間違いは、

  • 蒸発水量を式に入れてしまう
  • 循環水量(20 m³/h)を使ってしまう

ことです。

しかし、蒸発水は「水だけ」、濃縮を決めるのは「汚れが出ていく水」と覚えておけば迷いません。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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