公害防止管理者の過去問|令和6年 ばいじん・粉じん特論 問6  問題と解説

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問題6

集じん率がドイッチェの式に従う電気集じん装置において、集じん率85%の装置の集じん面積を2倍にするとともに、処理ガス流量を半分に減らした。この場合の集じん率(%)はおよそいくらか。

  1. 61
  2. 85
  3. 92.5
  4. 99.66
  5. 99.949

問題6の解答

正解は「5」です。

問題6の解説

解答に至るまでのステップ

ステップ1 原理・原則:ドイッチェ(Deutsch)式の形を確認します

電気集じん装置(ESP)の集じん率 η\etaη がドイッチェの式に従うとき、一般に次の形で表します。

η=1exp ⁣(wAQ)\eta = 1-\exp\!\left(-\frac{wA}{Q}\right)

  • η\eta:集じん率(0~1)
  • ww:粒子の移動速度(=移動度のような指標。帯電した粒子が電界で集じん極へ移動する速さ)
  • AA:有効集じん面積(集じん板などの“捕まえる面”の面積)
  • QQ:処理ガス流量(通過するガスの量)
  • exp( )\exp(\ ):自然対数の底 eeを使った指数関数(「e( )e^{(\ )}」の意味)

この式は、日本の公的機関が公開する技術資料でも「電気集じん装置の集じん率は一般式としてドイッチュ(Deutsch)の式で与えられる」として示されています。

ここで重要なのは、wAQ\dfrac{wA}{Q}QwA​ が大きいほど exp(wA/Q)\exp(-wA/Q)が小さくなり、η(集じん率)が 1(=100%)に近づく、という単調な関係です。

ステップ2 初期条件(集じん率85%)から、指数部の値をいったん整理します

初期集じん率が 85% なので、

η1=0.85\eta_1=0.85

ドイッチェ式に代入すると、

0.85=1exp(k)exp(k)=10.85=0.150.85 = 1-\exp(-k) \quad\Rightarrow\quad \exp(-k)=1-0.85=0.15

ここで

k=wAQk=\frac{wA}{Q}

と置きました。つまり「初期状態では、通り抜け割合(= 1−集じん率)が 0.15」だと読み替えられます。

ステップ3 条件変更(面積2倍+流量1/2)で k が何倍になるかを計算します

条件変更後は、

  • 集じん面積:A2=2AA_2 = 2A
  • ガス流量:Q2=Q2Q_2 = \dfrac{Q}{2}

したがって

k2=wA2Q2=w(2A)Q/2=4wAQ=4kk_2=\frac{wA_2}{Q_2} =\frac{w(2A)}{Q/2} =4\frac{wA}{Q} =4k

ポイントは、面積を2倍にして、さらに流量を半分にすると、AQ\dfrac{A}{Q}​ は 4倍になることです。

ステップ4 新しい集じん率を求めます(指数の性質を使うとラクです)

新しい通り抜け割合は

exp(k2)=exp(4k)={exp(k)}4\exp(-k_2)=\exp(-4k)=\{\exp(-k)\}^4

ステップ2で exp(k)=0.15\exp(-k)=0.15exp(−k)=0.15 と分かっているので、

exp(k2)=0.154\exp(-k_2) = 0.15^4

計算すると

  • 0.152=0.02250.15^2=0.0225
  • 0.154=(0.0225)2=0.000506250.15^4=(0.0225)^2=0.00050625

よって新しい集じん率は

η2=10.00050625=0.99949375\eta_2 = 1-0.00050625=0.99949375

百分率(%)にすると

0.99949375×100=99.949375%99.949%0.99949375\times 100 = 99.949375\% \approx 99.949\%

したがって 選択肢5 です。

問題のポイント

ドイッチェ式η=1exp(wA/Q)\eta=1-\exp(-wA/Q)をまず思い出します。

面積2倍+流量1/2 → AQ\dfrac{A}{Q}は4倍(ここが勝負どころです)。

85%の「通り抜け」は 15%(=0.15)。ドイッチェ式では、条件を4倍にすると通り抜けは (0.15)4(0.15)^4まで減り、集じん率は 99.949% まで上がります

初学者のコツ:まず「集じん率」よりも 通り抜け(1−η) に直すと、指数計算が整理しやすく、ミスが減ります。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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