公害防止管理者の過去問|令和5年 ばいじん・粉じん特論 問13  問題と解説

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問題13

温度147℃、流速10.0m/sで流れるガスの、ピトー管による動圧測定値(Pa)はおよそいくらか。

なお、ピトー管係数は0.96、大気圧は101.0kPa、静圧(ゲージ圧)は2.5kPa、標準状態のガス密度は1.30kg/m3とする。

  1. 24.1
  2. 28.4
  3. 46.8
  4. 111
  5. 183

試験問題では誤字があったため全員正解となりましたが修正済みです。

問題13の解答

正解は「3」です。

問題13の解説

解答に至るまでのステップ

ステップ1 原理・原則(「動圧」とピトー管係数の関係)を確認します

ピトー静圧管は、ベルヌーイの関係より「全圧 = 静圧 + 動圧」を利用し、全圧と静圧の差(差圧)から流速(または動圧)を求めます。

動圧 qqは基本的に

q=12ρv2q=\frac{1}{2}\rho v^{2}

で表されます。

また、実際のピトー管では理想式からのずれを補正するためピトー管係数 CCC を用い、一般に

v=C2ΔPρv = C \sqrt{\frac{2\Delta P}{\rho}}

ΔP\Delta P:ピトー管が測る差圧)と表します。


この式を変形すると、差圧(=「ピトー管による動圧測定値」として出題される量)は

ΔP=ρv22C2=qC2\Delta P=\frac{\rho v^{2}}{2C^{2}}=\frac{q}{C^{2}}

になります。

ステップ2 この条件でのガス密度 ρ\rhoρ を求めます(標準状態から補正)

気体は理想気体として近似すると、密度は

ρ=PRT\rho = \frac{P}{R T}

となり、同じ気体なら ρPT\rho \propto \frac{P}{T}です。

したがって、標準状態(添字0)の密度 ρ0\rho_0 が与えられているとき、

ρ=ρ0(PP0)(T0T)\rho=\rho_0\left(\frac{P}{P_0}\right)\left(\frac{T_0}{T}\right)

で補正できます(圧力は絶対圧、温度はKで扱います)。

  • 温度:147C=147+273.15=420.15 K147^\circ\mathrm{C}=147+273.15=420.15\ \mathrm{K}
  • 標準温度:T0=273.15 KT_0=273.15\ \mathrm{K}(標準状態)
  • 圧力:大気圧 101.0 kPa101.0\ \mathrm{kPa}、静圧(ゲージ)2.5 kPa2.5\ \mathrm{kPa}なので
    絶対圧 P=101.0+2.5=103.5 kPaP=101.0+2.5=103.5\ \mathrm{kPa}
  • 標準圧:ここでは標準状態の基準として与えられている大気圧 P0=101.0 kPaP_0=101.0\ \mathrm{kPa}を用います
  • 標準状態密度:ρ0=1.30 kg/m3\rho_0=1.30\ \mathrm{kg/m^3}

よって、

ρ=1.30(103.5101.0)(273.15420.15)0.866 kg/m3\rho=1.30\left(\frac{103.5}{101.0}\right)\left(\frac{273.15}{420.15}\right) \approx 0.866\ \mathrm{kg/m^3}

ステップ3 理想の動圧 qqq を計算します

流速 v=10.0 m/sv=10.0\ \mathrm{m/s}なので、

q=12ρv2=12×0.866×(10.0)2=12×0.866×10043.3 Paq=\frac{1}{2}\rho v^{2} =\frac{1}{2}\times 0.866\times (10.0)^2 =\frac{1}{2}\times 0.866\times 100 \approx 43.3\ \mathrm{Pa}

となります。

ステップ4 ピトー管係数 C=0.96を反映して「測定値(差圧)」に直します

ピトー管の差圧は

ΔP=qC2\Delta P=\frac{q}{C^{2}}

なので、

ΔP=43.3(0.96)2=43.30.921647.0 Pa\Delta P=\frac{43.3}{(0.96)^2} =\frac{43.3}{0.9216} \approx 47.0\ \mathrm{Pa}

となります。選択肢では 46.8 Pa が最も近いので 3 を選びます。

問題のポイント

動圧「q=12ρv2q=\frac{1}{2}\rho v^2」が基本でピトー管は全圧と静圧の差からこの量(または差圧)を扱います。

ピトー管係数が与えられたら、測定差圧は ΔP=qC2\Delta P=\frac{q}{C^2}になる点がひっかけやすいです。

密度補正は「絶対圧」「温度はK」が鉄則です。ゲージ圧が出たら必ず大気圧を足して絶対圧にしてから、ρP/T\rho\propto P/Tで標準状態密度を補正します。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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