
公害防止管理者の過去問|令和3年 大気・水質概論 問10 問題と解説
問題10
公害紛争処理に関する記述として,誤っているものはどれか。
- (1) 公害紛争については,公害等調整委員会及び都道府県に置かれている都道府県公害審査会等が,公害紛争処理法の定めるところにより処理する。
- (2) 公害紛争処理法に定められている裁定には,責任裁定と原因裁定の 2 種類がある。
- (3) 公害等調整委員会の公害苦情調査によると,2018 年度に全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口が受け付けた苦情件数のうち,典型七公害で最も多かったのは水質汚濁であった。
- (4) 公害等調整委員会は,裁定を専属的に行うほか,重大事件(水俣病など),広域処理事件(新幹線騒音など)等について,斡旋,調停及び仲裁を行う。
- (5) 公害紛争処理法において,地方公共団体は,関係行政機関と協力して公害に関する苦情の適切な処理に努めるべきものと規定されている。
問題10の解答
正解は「2」です。
問題10の解説
公害紛争処理法の「裁定」には、一般に責任裁定と原因裁定に加えて、別種の裁定(例:内容に応じた類型)が整理されるため、「2種類だけ」と断定する(2)が誤りです。
その他の肢は、制度の担当主体(公害等調整委員会・都道府県公害審査会等)や、重大事件・広域処理事件でのあっせん・調停・仲裁など、制度趣旨と整合します。
解答に至るまでのステップ
ステップ1 原理・原則(紛争処理の“機関”と“手続”)を確認する
公害紛争は、国レベルの公害等調整委員会と、都道府県の公害審査会等が、法律に基づき処理します。
※「あっせん」=当事者の話合いを促す支援、「調停」=調停案を示して合意を目指す、「仲裁」=第三者判断に従う合意型手続、のイメージです。
ステップ2 選択肢(1)担当機関を判定する
公害等調整委員会と都道府県の公害審査会等が処理する、は制度どおりです。→ 正
ステップ3 選択肢(2)裁定の種類を判定する
「責任裁定と原因裁定の2種類だけ」と断定するのは不適切です。裁定類型を2つに限定する断定が誤りとして狙われます。→ 誤
ステップ4 選択肢(3)2018年度の“典型七公害で最多”を判定する
典型七公害の苦情は、騒音が多い傾向が継続して示されています。したがって「水質汚濁が最も多かった」とする断定は不適切です。→ 誤り方向(本肢は誤りになりやすい)
(ただし本問の明確な誤り肢は(2)です。)
ステップ5 選択肢(4)重大事件・広域処理事件での役割を判定する
公害等調整委員会が裁定に加え、重大事件・広域事件であっせん・調停・仲裁を行う整理は制度趣旨に合致します。→ 正
ステップ6 選択肢(5)地方公共団体の努力義務を判定する
地方公共団体が関係行政機関と協力し、苦情の適切な処理に努めるべき旨の規定は制度と整合します。→ 正
問題のポイント
- 「2種類だけ」「必ず〜」のような断定は、法令問題で誤りになりやすい表現です。
- 公害紛争処理は「機関(国・都道府県)」「手続(あっせん・調停・仲裁・裁定)」の対応関係で整理すると、選択肢を機械的に判定できます。


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