公害防止管理者の過去問|令和3年 水質概論 問2 問題と解説

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問題2

水質汚濁防止法に規定する有害物質貯蔵指定施設のうち地下に設置されている施設に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

有害物質貯蔵指定施設のうち地下に設置されているもの(以下「地下貯蔵施設」という。)は、有害物質を含む水の漏えい等を防止するため、次の各号のいずれかに適合するものであることとする。

一 次のいずれにも適合すること。

イ (1)タンク室内に設置されていること、(2)高床式構造であることその他の有害物質を含む水の漏えい等を(3)防止する措置を講じた構造及び材質であること。

ロ (略)

ハ 地下貯蔵施設の内部の有害物質を含む水の量を(4)表示する装置を設置することその他の有害物質を含む水の量を(5)確認できる措置が講じられていること。

二 (略)

問題2の解答

正解は「2」です。

問題2の解説

この問題は、水質汚濁防止法施行規則 第8条の6「地下貯蔵施設の構造等」に基づく出題です。同条は、有害物質貯蔵指定施設のうち地下に設置されているもの(地下貯蔵施設)について、次のように定めています(※要点のみ抜粋・改行整形)。

第八条の六 有害物質貯蔵指定施設のうち地下に設置されているもの(以下「地下貯蔵施設」という。)は、有害物質を含む水の漏えい等を防止するため、次の各号のいずれかに適合するものであることとする。
一 次のいずれにも適合すること。
 イ タンク室内に設置されていること、二重殻構造であることその他の有害物質を含む水の漏えい等を防止する措置を講じた構造及び材質であること。
 ロ 地下貯蔵施設の外面には、腐食を防止するための措置が講じられていること。(中略)
 ハ 地下貯蔵施設の内部の有害物質を含む水の量を表示する装置を設置することその他の有害物質を含む水の量を確認できる措置が講じられていること。

設問の記述(抜粋)は次のとおりです。

イ (1)タンク室内に設置されていること、(2)高床式構造であることその他の有害物質を含む水の漏えい等を(3)防止する措置を講じた構造及び材質であること。

ハ 地下貯蔵施設の内部の有害物質を含む水の量を(4)表示する装置を設置することその他の有害物質を含む水の量を(5)確認できる措置が講じられていること。

条文と一語一語照らし合わせると、次のようになります。

(1)「タンク室内に設置されていること」→ 正しい

イ タンク室内に設置されていること、二重殻構造であること…

(1) は条文どおりで正しい記述です。

地下タンクをむき出しで地中に埋めるのではなく、タンク室(トレンチ・ピットなど)という囲われた空間の中に入れておくことで、漏えい時に発見しやすくし、また二次的な漏えい防止対策を取りやすくするという趣旨です。これは、消防法等における地下タンクの安全対策の考え方とも整合しています。

(2)「高床式構造であること」→ 誤り:正解

イ タンク室内に設置されていること、二重殻構造であることその他の有害物質を含む水の漏えい等を防止する措置を講じた構造及び材質であること。

となっており、「高床式構造」ではなく「二重殻構造」と明記されています。

「二重殻構造」とはタンクが内槽と外槽の二重構造になっていて、内槽から有害物質を含む水が漏れても、すぐ外へ出ずに外槽で止まる。一方「高床式構造」は、一般には、地面から床を高く上げる構造を指し、浸水対策や床下換気などのために用いられる用語です。

したがって、地下貯蔵施設の基準として「高床式構造であること」と書いてしまっている点が誤りであり、この問題の解答は (2) となります。

(3)「防止する措置を講じた構造及び材質」→ 正しい

…二重殻構造であることその他の有害物質を含む水の漏えい等を防止する措置を講じた構造及び材質であること。

設問の (3) は「防止する措置」とされており、条文の「防止する措置」と一致しています。したがって、(3) は正しい部分です。

地下タンクは土中にあり、漏えいが見つかりにくく、ひとたび漏えいすると地下水へ直接浸透し、大規模な汚染を招くおそれがあります。そのため、材質や構造の段階で漏えいしにくくする(「予防」)ことが極めて重要とされており、環境省は「地下水汚染を未然に防止するための構造基準・点検制度」として、このような規定を設けています。

(4)「量を表示する装置を設置すること」→ 正しい

ハ 地下貯蔵施設の内部の有害物質を含む水の量を表示する装置を設置することその他の有害物質を含む水の量を確認できる措置が講じられていること。

設問の (4) も「量を表示する装置」としており、条文どおりで正しい記述です。

ここで重要なのは、表示するのは「濃度」ではなく「量」であることです。過去問では、わざと「濃度を表示する装置」と書き換えて誤りにさせた問題も出題されています。地下タンクからの漏えいは、「タンク内の貯蔵量の変化」や「水位の変動」を見ることで推定するのが基本であり、ここでは「量(貯蔵量)」の監視が重視されています。

(5)「量を確認できる措置が講じられていること」→ 正しい

…量を表示する装置を設置することその他の有害物質を含む水の量を確認できる措置が講じられていること。

設問の (5) も「量を確認できる措置」となっており、条文と完全に一致しているため正しいです。

趣旨としてはメーターや計量装置など「表示装置」を付けるのが基本ですが、それと同等以上に量の把握ができる仕組み(例:自動計量システムなど)でもよい、という柔軟な規定になっています。

問題を解くポイント

1.「地下貯蔵施設」のキーワードをセットで覚える

地下貯蔵施設(A基準)の条文は、重要なフレーズが決まっています。

  • タンク室内に設置
  • 二重殻構造
  • 漏えい等を防止する措置を講じた構造及び材質
  • 外面の腐食防止措置
  • 内部の「量」を表示する装置 +「量を確認できる措置」

ここをセットで暗記してしまうと、問題文の「高床式」「濃度」などのひっかけを見抜きやすくなります。

2.「量」か「濃度」かに注意

  • 地下貯蔵施設では
    • × 濃度を表示する装置
    • ○ 量を表示する装置
      というパターンが頻出のひっかけです。

今回の問題では「量」と正しく書いてありますが、別年度の過去問では「濃度」と書き換えられて誤りにされています。

3.条文そのものを一度は必ず読む

環境省や自治体が公開している解説・マニュアルには、条文とともに図や事例が載っていて理解の助けになります。一度条文を読みながら、「地下貯蔵施設=タンク室+二重殻+水量表示」というイメージを頭に入れておくと、選択肢の文章を見た瞬間に違和感を覚えられるようになります。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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