公害防止管理者の過去問|令和7年 ばいじん・粉じん特論 問9  問題と解説

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問題9

ダスト層の圧力損失がコゼニー・カルマンの式で表せる場合、ダスト負荷が同等の条件でダストの空隙率が0.8から0.9に変化したときの圧力損失はおよそ何倍になるか。

  • 0.18
  • 0.35
  • 0.56
  • 2.9
  • 5.5

問題9の解答

正解は「2」です。

問題9の解説

コゼニー・カルマンの式でダスト層(ケーキ層)の圧力損失を扱うとき、ポイントは空隙率 ε が変わると、透過抵抗(流れにくさ)が変わります。さらに、問題文の条件「ダスト負荷が同等(= 付着したダストの質量/面積が同じ)」だと、層厚 L も ε に応じて変わります。

低Reでの多孔質層の圧力損失は、代表的に

ΔP(1ε)2ε3L\Delta P \propto \frac{(1-\varepsilon)^2}{\varepsilon^3}\,L

粘度 μ、流速 u、粒子径 d などは一定として比例関係だけ見ます。

ダスト負荷(面積当たり付着質量)を W[kg/m2]W\,[\mathrm{kg/m^2}]W[kg/m2] とすると、

  • 固体の体積割合は (1ε)(1-\varepsilon)(1−ε)
  • よって固体体積/面積は (1ε)L(1-\varepsilon)L(1−ε)L
  • それに固体密度 ρs\rho_sρs​ を掛けると質量/面積

なので

W=ρs(1ε)LL=Wρs(1ε)W=\rho_s(1-\varepsilon)L \quad\Rightarrow\quad L=\frac{W}{\rho_s(1-\varepsilon)}

つまり、εが大きい(スカスカ)ほど同じ質量を載せるには厚み L は増える、という関係です。

これを基本式に代入

ΔP(1ε)2ε3L(1ε)2ε31(1ε)\Delta P \propto \frac{(1-\varepsilon)^2}{\varepsilon^3}\,L \propto \frac{(1-\varepsilon)^2}{\varepsilon^3}\cdot \frac{1}{(1-\varepsilon)}

よって

ΔP(1ε)ε3\boxed{\Delta P \propto \frac{(1-\varepsilon)}{\varepsilon^3}}

ここがこの設問の核心です。

ε=0.8 → 0.9 のとき、圧力損失は何倍か?

比(新/旧)を

ΔP0.9ΔP0.8=(10.9)0.93(10.8)0.83\frac{\Delta P_{0.9}}{\Delta P_{0.8}} = \frac{\frac{(1-0.9)}{0.9^3}}{\frac{(1-0.8)}{0.8^3}}

で計算します。

  • 0.83=0.5120.8^3 = 0.512
  • 0.93=0.7290.9^3 = 0.729

それぞれ:

  • ε=0.8:(10.8)/0.83=0.2/0.512=0.390625(1-0.8)/0.8^3 = 0.2/0.512 = 0.390625
  • ε=0.9:(10.9)/0.93=0.1/0.7290.13717(1-0.9)/0.9^3 = 0.1/0.729 \approx 0.13717

比:

0.137170.3906250.351\frac{0.13717}{0.390625}\approx 0.351約 0.35 倍\boxed{\text{約 }0.35\text{ 倍}}

  • 0.35(正解)
    「ダスト負荷が同等」→ 層厚 L が変わることまで考慮した比。
  • 0.18
    もし誤って「L一定(同じ厚みの層)」としてしまうと
    ΔP(1ε)2/ε3\Delta P \propto (1-\varepsilon)^2/\varepsilon^3ΔP∝(1−ε)2/ε3 の比になり、
  • 0.12/0.930.22/0.830.1750.18\frac{0.1^2/0.9^3}{0.2^2/0.8^3}\approx 0.175 \approx 0.18
  • 2.9
    これは正解 0.35 の逆(旧/新)です。 ΔP0.8/ΔP0.91/0.352.9\Delta P_{0.8}/\Delta P_{0.9} \approx 1/0.35 \approx 2.9
  • 5.5
    0.18 の逆(旧/新)に近い値です。 1/0.185.6 (≒ 5.5)1/0.18 \approx 5.6 \ (\text{≒ }5.5)
  • 0.56
    この条件(Kozeny–Carman+同一ダスト負荷)からは通常出ません。

「ダスト負荷が同等」なので層厚が変化する点を入れると、圧力損失は 約 0.35 倍(= 約 1/3)に低下が答えです。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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