
公害防止管理者の過去問|令和7年 ばいじん・粉じん特論 問6 問題と解説
問題6
電気集じん装置の一段式と二段式に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 一段式は二段式に比べ、再飛散防止に有効である。
- 一段式は、大容量の産業用として最も広く用いられる。
- 一段式では、ダストの見掛け電気抵抗率が異常に高い場合に起こる逆電離現象を避けることは困難である。
- 二段式は、集じん電極間隔を小さくできるため装置の小形化が可能である。
- 二段式は一段式に比べ、付着性の高いダストの集じんが困難である。
問題6の解答
正解は「5」です。
問題6の解説
この問題は、電気集じん装置(ESP)の「一段式」と「二段式」の典型的な特徴を問うものです。環境省の資料では、両者を次のように整理しています。
- 一段式:放電電極と集じん電極の間で「荷電(粒子に電気を帯びさせる)」と「集じん(捕集)」を同じ空間で同時に行う形式で、再飛散に対して極めて有利であり、産業用として最も普及している一方、逆電離現象を避けるのが困難とされています。
- 二段式:上流に「荷電部」、下流に「集じん部」を分け、集じん電極間隔を狭くして集じん面積を大きくできるため小型化が可能で、空気清浄機や静電凝集器、付着性の高いダストの集じんなどに採用される、とされています。
したがって、(5)の「二段式は一段式に比べ、付着性の高いダストの集じんが困難」という記述は、環境省資料の説明(付着性の高いダストの集じんなどに採用)と逆方向であり、誤りとなります。
解答に至るまでのステップ
ステップ1:重要用語を確認します(初学者向け)
- 再飛散:いったん電極に捕集した粉じんが、ガス流れや清掃(槌打ち等)をきっかけに再び空気中に舞い戻ることです。
- 逆電離(逆電離現象):捕集したダスト層の電気抵抗が高いなどの条件で、ダスト層側で電界が乱れ、捕集を邪魔する現象です(結果として集じん性能が落ちやすい重要トラブル要因です)。環境省資料では、一段式は逆電離現象を避けることが困難と整理しています。
- 付着性の高いダスト:電極に付くと“粘り”が強く、落ちにくい/固着しやすい粉じんのことです。
ステップ2:一段式・二段式の公式整理を押さえます(根拠)
- 一段式:再飛散に極めて有利、産業用として最も普及、ただし逆電離回避が困難。
- 二段式:荷電部と集じん部を分離、小型化が可能、空気清浄機や静電凝集器、付着性の高いダストにも採用。
ステップ3:各選択肢を正誤判定します
- (1)一段式は二段式に比べ,再飛散防止に有効である。
→ 環境省資料で「一段式:再飛散に対して極めて有利」と明記されており正しいです。 - (2)一段式は,大容量の産業用として最も広く用いられる。
→ 環境省資料で「一段式:産業用として最も普及」とされており正しいです。 - (3)一段式では,ダストの見掛け電気抵抗率が異常に高い場合に起こる逆電離現象を避けることは困難である。
→ 環境省資料で「一段式:逆電離現象を避けることが困難」とされており正しいです。 - (4)二段式は,集じん電極間隔を小さくできるため装置の小形化が可能である。
→ 環境省資料で「二段式:集じん電極間隔を狭くして集じん面積を大きくできるため装置の小型化が可能」とされており正しいです。 - (5)二段式は一段式に比べ,付着性の高いダストの集じんが困難である。
→ 環境省資料では逆に「二段式は…付着性の高いダストの集じんなどに採用」とされているため、(5)は誤りです。
問題のポイント
- 本問は暗記ではなく、「一段式=再飛散に強い・産業用で普及・逆電離に弱い」、「二段式=小型化しやすい・空気清浄機等・付着性ダストにも採用」という“型”を押さえると安定して解けます。
- ひっかけは(5)で、「付着性が高い=扱いにくい」から“困難”と連想しがちですが、公式整理では二段式が採用される側に置かれています。


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