公害防止管理者の過去問|令和4年 ばいじん・粉じん特論 問8  問題と解説

  • URLをコピーしました!

問題8

バグフィルターに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ろ布自体の空隙(くうげき)率は、織布では30~40%である。
  2. 振動形払い落とし装置は、間欠式払い落とし方式に分類される。
  3. パルスジェット形バグフィルターでは、含じんガスは常にろ布の外側から流入する。
  4. 織布を用いる場合の見掛けろ過速度は、不織布を用いる場合のそれより大きくとられる。
  5. 払い落とし直後は、一次付着層の一部が剥離するので、一時的に集じん率が低下する。

問題8の解答

正解は「4」です。

問題8の解説

解答に至るまでのステップ

ステップ1: 各選択肢の内容を事実と照らし合わせます。

「ろ布自体の空隙率は、織布では30~40%である。」: 一般に織布(織り糸のろ布)の空隙率は3~4割程度です。不織布は繊維がランダムに絡んだ構造で空隙率が高く、7~8割ほどになります。記述通り織布は約30~40%ですから、(1)は正しいです。

「振動形払い落とし装置は、間欠式払い落とし方式に分類される。」: バグフィルターの清掃(ダスト払い落とし)方式には、大きく間欠式(運転を一時止めて一括清掃)と連続式(運転しながら断続的に清掃)があります。振動によってろ布を揺すり粉じんを落とす方式は、一旦フィルターへのガス流を止めてから行うのが通常であり、間欠的に実施します。したがって、振動形は間欠式払い落としに分類され、(2)は正しいです。

「パルスジェット形バグフィルターでは、含じんガスは常にろ布の外側から流入する。」: パルスジェット式はフィルター外側に粉じんを付着させ、内側から高圧エアをパルス噴射して外側の粉じんケーキを剥離します。そのためガスの通常流れは外->内が基本です。常に外側から内側へのろ過で、逆方向は清掃時の一瞬だけです。(3)は正しい記述です。

「織布を用いる場合の見掛けろ過速度は、不織布を用いる場合のそれより大きくとられる。」: これは逆です。織布は空隙が小さく密なため、高速でろ過するとすぐ圧力損失が上がります。一方、不織布は空隙が多く、より高いろ過風速でも圧力損失増加を抑えられます。実際、織布の推奨ろ過速度は1~3 cm/s程度ですが、不織布では1.5~7 cm/sと大きく設定できます。従って(4)は誤りです。

「払い落とし直後は、一次付着層の一部が剥離するので、一時的に集じん率が低下する。」: バグフィルターでは粉じんの薄い付着層(一次付着層)がろ布の微細な目を塞ぐことで高い捕集効率を維持しています。清掃直後はその層が部分的に失われるため、微細粒子が通り抜けやすくなり、一時的に集じん効率が低下する現象が知られています。これは「初期透過」とも呼ばれる現象で、(5)は正しいです。

ステップ2: 上記により(4)のみが誤りと判明しました。

念のため、(4)の正しい知識を補足します。不織布の方が織布より空隙率が高く、通気性が良いため、設計上許容できるろ過速度(見かけのろ過速度)は不織布の方が大きくとれます。問題文はこの点を取り違えており誤りと言えます。

問題を解くポイント

(1) 織布 vs 不織布: 織布は経糸・緯糸で構成された布で、目開きが比較的一様ですが空隙率は低めです。不織布はランダムに絡んだ繊維網で高い空隙率を持ちます。したがって風を通しやすいのは不織布であり、高いろ過速度に適します。選択肢(4)はこの知識と逆なので注意を払いましょう。

(2) 清掃方式: バグフィルターの清掃には振動式(機械振動)、逆洗式(逆方向から空気を吹き込み)などがあり、パルスジェット式は圧縮空気による連続的(運転中)の清掃法です。一方、振動式や逆洗式は一時的に区画を閉じて行う間欠式です。(2)と(3)を検討する際は、各清掃方式の概要を思い出すと正誤が判断できます。

(3) 初期透過: 清掃直後、一部粉じん層が無い状態では微粒子が漏れやすくなり、一時的に集じん効率が落ちます。これは運転上よく知られる現象で、選択肢(5)のような記述は素直に正しいと判断できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

コメント

コメントする