
公害防止管理者の過去問|令和3年 ばいじん・粉じん特論 問6 問題と解説
問題6
障害物形式の集じん装置の捕集に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 粒子径が大きいほど、重力による分離速度は大きくなる。
- ストークス数が大きいほど、慣性力による捕集効率は小さくなる。
- 粒子径が0.1μm以下のダストでは、一般に拡散作用による分離が支配的である。
- 捕集体の寸法に対する粒子径の比が大きいほど、遮りによる捕集効率は大きくなる。
- 遮りによる捕集は、ガス速度が小さいときに効果的である。
問題6の解答
正解は「2」です。
問題6の解説
障害物(慣性力)型の集じん装置において誤っている記述は「ストークス数が大きいほど、慣性力による捕集効率は小さくなる。」です。実際には、ストークス数(Stk)が大きい粒子ほど慣性衝突による捕集効率は高くなります。
ストークス数は粒子の慣性力の指標で、粒径や密度・流速が大きいほどStkは大きくなり、粒子は気流の曲がりに追随できず直進しやすく、障害物(板や繊維など)に衝突しやすくなるため捕集効率が上がります。選択肢2はこの関係を逆に述べているため誤りです。
(1) 粒子径が大きいほど重力による沈降分離速度(終末沈降速度)は大きくなります。
(3) 粒径が0.1μm以下の極微粒子ではブラウン運動による拡散機構が支配的で、重力や慣性よりも拡散捕集が重要になります。
(4) 障害物(繊維や板)の寸法に対して粒子径が大きいほど、流線に乗っても粒子が障害物表面に触れやすくなる差し渡し捕集(遮蔽捕集)効率が高まります。
(5) 遮蔽捕集は粒子が流線にほぼ沿って動く状況で起こるため、ガス流速が小さい=流線が緩やかな場合に効果が出やすいです。
(2)だけが誤りと判断できます。
問題を解くポイント
慣性衝突捕集の理解が鍵です。慣性捕集効率はストークス数によって主に決まること、そしてストークス数が大きい(粒子が重く大きく速い)ほど捕集されやすいという点を覚えておきましょう。選択肢2はこれと逆なので誤りだと分かります。
また、微粒子では拡散、大粒子では慣性や重力が支配的といった粒径域による支配機構の切り替わりも押さえておくと、他の選択肢の正誤判断に役立ちます。


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