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問題17
環境基準に関する記述中、(ア)~(オ)の中に挿入すべき語句(a~e)の組合せとして、正しいものはどれか。
環境基準には( ア )に係る基準と( イ )に係る基準とがある。両基準が設定されているのは( ウ )に係る基準のみである。その( ア )に関する環境基準は、( エ )をもって定められている。一方、( イ )に係る環境基準は、( オ )等に応じて設定される構造になっている。
- a.水質汚濁
- b.全国一律の数値
- c.人の健康の保護
- d.地域の状況、水域の利用目的
- e.生活環境の保全
| 選択肢 | ア | イ | ウ | エ | オ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | a | e | c | d | b |
| 2 | a | c | e | d | b |
| 3 | c | e | a | b | d |
| 4 | c | e | b | b | d |
| 5 | e | c | a | d | a |
(令和2年)
問題17の解答
正解は「3」です。
問題17の解説
環境基準(環境基本法に基づく行政上の目標)は、大きく「人の健康の保護に関する環境基準」と「生活環境の保全に関する環境基準」の2本立てです。
- (ア)=人の健康の保護
健康影響を防ぐ観点の基準。水質ではヒ素・カドミウム等の有害物質が対象で、全国一律の数値で定められます(地域差を設けないのが原則)。→ (エ)=全国一律の数値 - (イ)=生活環境の保全
快適な生活・良好な水域環境を保つ観点の基準。水質ではBOD/COD、DO、全窒素・全りん、pH、大腸菌群数などが該当し、水域の利用目的(飲用・水産・レクリエーション等)や地域の状況に応じて基準値(類型)が設定されます。→ (オ)=地域の状況・水域の利用目的 - (ウ)=水質汚濁
両方の基準(健康・生活)が併せて設定されている分野は水質だけです。
※大気・騒音・振動・土壌では「健康」または「生活」のどちらかのみの体系で運用されるのが基本で、健康と生活の“両方”が同一媒体で併存するのは水質汚濁の環境基準の特徴です。
以上を並べると、(ア)人の健康の保護/(イ)生活環境の保全/(ウ)水質汚濁/(エ)全国一律の数値/(オ)地域の状況・水域の利用目的となり、選択肢3が正解です。
- 「健康」と「生活」をセットで覚える媒体=水質だけ
- 水質は健康項目(有害物質)=全国一律、生活項目(BOD/COD等)=水域類型ごとという“二層構造”。
- 健康項目は一律、生活項目は地域・用途で変わる
- 健康基準:全国一律数値
- 生活環境基準:水域の利用目的や地域状況で類型指定→ キーワードは「一律」と「類型(用途・地域)」。
- 頻出の取り違えに注意
- 「生活環境の保全」を「全国一律」とする誤答や、健康基準を「地域事情で変動」とする誤答が定番。
- 健康=一律、生活=類型をワンセットで固定化。



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