
公害防止管理者の過去問|令和7年 公害総論 問6 問題と解説

目次
問題6
次の3つの大気汚染物質について、我が国の一般環境大気測定局における年平均値(ppm)を低い順に並べたとき、正しいものはどれか(環境省:令和4年度大気汚染物質(有害大気汚染物質等を除く)に係る常時監視測定結果による)。
- SO2 < NO2 < CO
- SO2 < CO < NO2
- NO2 < SO2 < CO
- NO2 < CO < SO2
- CO < SO2 < NO2
問題6の答え
正解は「1」です。
問題6の解説
① 令和4年度の公式データを確認する
問題文にもあるとおり、根拠は「環境省:令和4年度大気汚染物質(有害大気汚染物質等を除く)に係る常時監視測定結果」です。この中の「第1章 概説」には、一般環境大気測定局(一般局)の年平均値の全国平均が表で示されています。
その表1-2-2「測定項目別年平均値の推移」によると、令和4年度の一般局について:
- 二酸化窒素(NO₂):年平均値 0.007 ppm
- 二酸化硫黄(SO₂):年平均値 0.001 ppm
- 一酸化炭素(CO):年平均値 0.2 ppm
これを小さい順に並べると、
0.001(SO₂) < 0.007(NO₂) < 0.2(CO)
となるので、物質名で書くと
SO₂ < NO₂ < CO
となり、選択肢 1 が正解となります。
② なぜこの順番になるのか ― オーダー感で把握する
環境基準や実測値の典型的な大きさから見ても、次のような「ケタの違い」があります。
- SO₂(二酸化硫黄)
- 近年の日本では燃料の脱硫が進み、一般環境では 0.001 ppm 程度と非常に低く抑えられています。
- NO₂(二酸化窒素)
- 自動車や燃焼設備からの排出で、一般局の年平均は 0.007 ppm 前後(0.01 ppm弱)です。
- CO(一酸化炭素)
- 環境基準は「1時間値の1日平均 10 ppm 以下」ですが、実際の一般局の年平均値は 0.2 ppm 程度と、NO₂より一桁以上大きい値になっています。
このように、SO₂はごく微量、NO₂はその数倍、COはさらに一桁上というのが大気中濃度の典型的なオーダーです。
③ 問題を解くポイント
ポイント1:ケタの感覚を押さえる
令和○年度の細かい値まで暗記していなくても、ケタの違いを覚えておくと解きやすくなります。
- SO₂:10⁻³ ppm オーダー(0.001くらい)
- NO₂:10⁻² ppm オーダー(0.01弱)
- CO:10⁻¹ ppm オーダー(0.1〜0.3程度)
「SO₂が一番小さく、COが一番大きい」と覚えておけば、選択肢の多くは一瞬で切れます。
ポイント2:「環境基準の値」と「実測の平均値」は別物
- CO の環境基準は「10 ppm」「20 ppm」など大きな値ですが、実際に観測される年平均値は 0.2 ppm 程度と、基準よりずっと小さいことに注意してください。
「基準が大きいから濃度も大きい」ではなく、実測の典型値を問う問題です。
まとめ
- 令和4年度環境省報告書の一般局 年平均値全国平均は
- SO₂:0.001 ppm
- NO₂:0.007 ppm
- CO:0.2 ppm
- よって、大きさはSO₂ < NO₂ < CO→ 選択肢1が正解です。


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