公害防止管理者の過去問｜令和6年 公害総論 問14 問題と解説

問題１４

問題１４の答え

正解は「４」です。

問題１４の解説

① まずは PRTR の「届出排出量」の順位を確認する

環境省・経産省が公表している PRTR 集計結果（令和5年版環境白書の元データ）では、事業者から届出された全国の届出排出量（排出量のみ）について、物質別の上位10物質が示されています。

その中で、溶剤などに多く使われる 3 物質については、次の順になっています。

• トルエン：40 千トン（2021年度、構成比 29％）
• キシレン：18 千トン（構成比 13％）
• エチルベンゼン：14 千トン（構成比 11％）

2020年度データでも、①トルエン、③キシレン、⑤エチルベンゼンの順で、同じ大小関係です。したがって、届出排出量の大きい順に並べるとトルエン ＞ キシレン ＞ エチルベンゼンとなり、選択肢４が正解です。

② 問題を解くポイント

1. PRTR の代表的な“常連上位物質”を覚える
   • トルエン：届出排出量トップクラス
   • 次いでキシレン、エチルベンゼンが続く
     → トルエン ＞ キシレン ＞ エチルベンゼン という並びをセットで記憶。
2. 「排出量」と「移動量」の区別に注意
   • 本問は「排出量（届出排出量）」のみの順位。
   • 白書には「排出＋移動」の合計や、移動量の上位も載るので、どの数値を聞いているか読み取ることが重要です。
3. 年度が変わっても相対順位はほぼ同じ
   • 近年のデータでは、どの年度でもこの３物質の順はほぼ変わらないため、「PRTRの溶剤３兄弟：トルエン＞キシレン＞エチルベンゼン」と覚えておくと他年度でも応用できます。

以上から、正しい並びは４：トルエン ＞ キシレン ＞ エチルベンゼンです。