
公害防止管理者の過去問|令和3年 公害総論 問9 問題と解説

問題9
悪臭に係る発生源別の苦情として、最も件数の多いものはどれか(環境省平成30年度悪臭防止法施行状況調査による)。
- 野外焼却
- 畜産農業
- 食料品製造工場
- 下水・用水
- サービス業・その他
問題9の解答
正解は「1」です。
問題9の解説
この問題は、「平成30年度における“悪臭の発生源別苦情件数”で、一番件数が多い発生源はどれか?」を問うものです。元データは 環境省「平成30年度悪臭防止法施行状況調査」 ですので、そこで示されている「発生源別の苦情件数」の統計を確認します。
① 公的データで発生源別苦情件数を確認
環境省の報道発表「平成30年度悪臭防止法施行状況調査の結果について」に、平成30年度の悪臭苦情の全体件数と発生源別内訳が示されています。
悪臭に係る苦情の件数は、平成30年度は 12,573件。苦情の内訳を見ると、野外焼却:3,223件(全体の25.6%)で最も多く、次いで サービス業・その他:2,153件(17.1%)、個人住宅・アパート・寮:1,424件(11.3%)、畜産農業:1,096件(8.7%)、その他の製造工場:958件(7.6%)、食料品製造工場:690件(5.5%)、下水・用水:454件(3.6%)と続きます。
ここから明確に分かることは、件数が最も多い発生源は「野外焼却」(3,223件)であり、次点が「サービス業・その他」畜産農業、食料品製造工場、下水・用水はいずれもそれより件数が少なくなっています。
なお、令和4年度の調査結果でも、野外焼却が項目として最も多くなっています。この傾向は、過去5年間で件数を含めて変わっていないのが実情です。
問題を解くポイント
ポイント1:悪臭苦情の「顔」は野外焼却とサービス業
平成30年度の統計では、野外焼却が最大(約4分の1)、次に「サービス業・その他」、その後に個人住宅・畜産農業…と続くという構図になっています。悪臭公害の典型問題として 「野外焼却」が最上位に来ることは非常に多いので、セットで覚えておくと他年度の問題にも対応しやすくなります。
ポイント2:「発生源別」の分類を押さえておく
環境省の分類では、主に次のようなカテゴリーがあります。
- 野外焼却
- サービス業・その他
- 個人住宅・アパート・寮
- 畜産農業
- 食料品製造工場
- その他の製造工場
- 下水・用水
- 建設作業現場
- 飼料・肥料製造工場
- 化学工場
試験では、「どれが多く、どれが少ないか」という相対的な位置関係を問う出題がよくあります。
ポイント3:元データに当たるクセをつける
公害防止管理者試験では、環境省・総務省・公害等調整委員会などの「統計値」や「白書の記述」がそのまま出てくることが多いです。今回のように、発生源別の構成比(%)や順位は、一度グラフを眺めて「イメージ」で覚えると非常に強くなれます。


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