
公害防止管理者の過去問|令和5年 大気・水質概論 問3 問題と解説
問題3
水質汚濁防止法第 14 条の 3 に規定する地下水の水質の浄化に係る措置命令に関する記述中,下線を付した箇所のうち,誤っているものはどれか。
(1) 都道府県知事は,特定事業場又は有害物質貯蔵指定施設を設置する工場若しくは事業場(以下「有害物質貯蔵指定事業場」という。)において有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があったことにより,(2) 現に人の健康に係る被害が生じ,(3)又は生ずるおそれがあると認めるときは,環境省令で定めるところにより,その被害を防止するため必要な限度において,当該特定事業場又は有害物質貯蔵指定事業場の設置者((4)相続,合併又は分割によりその地位を承継した者を除く。)に対し,相当の期限を定めて,地下水の水質の浄化のための措置をとることを命ずることができる。ただし,その者が,当該浸透があった時において当該特定事業場又は有害物質貯蔵指定事業場の設置者であった者と(5) 異なる場合は,この限りでない。
問題3の解答
正解は「4」です。
問題3の解説
解答に至るまでのステップ
ステップ1:何を命令できる制度かを押さえます。
水質汚濁防止法第14条の3は、有害物質を含む水が地下に浸透し、人の健康被害が生じる/生じるおそれがある場合に、地下水浄化などの措置を命じる制度です。
ステップ2:命令を出す主体(誰が命令するか)を確認します。
条文上の主体は都道府県知事です。よって(1)は正しい方向です。
ステップ3:発動要件(どんなとき命令できるか)を確認します。
「現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるとき」とされます。よって(2)と(3)は正しい方向です。
ステップ4:命令対象者(誰に命令できるか)を確認します。
命令の相手方は「設置者」ですが、ここで重要なのが “承継者の扱い”です。環境省の施行通知では、設置者には「相続又は合併によりその地位を承継した者を含む」と明記され、承継者も命令対象になり得ます。 したがって、「承継した者を除く」とする(4)は条文趣旨と逆で誤りです。
ステップ5:ただし書き(例外)の意味を確認します。
設置者が汚染時点の設置者と異なる場合に一定の制約がかかる(“この限りでない”)という構造があり、(5)の方向性は条文の読み方として不自然ではありません。
結論として、最も明確に誤っているのは(4)です。
問題のポイント
- この条文は 「汚染原因者責任」の考え方が強く、承継(相続・合併・分割)でも責任が引き継がれ得る点が核心です。
- 「含む/除く」の一語違いが得点差になります。


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