
公害防止管理者の過去問|令和4年 大気・水質概論 問8 問題と解説
問題8
水質環境基準に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) ふっ素とほう素は,海域には適用されない。
(2) BOD は河川に,COD は湖沼及び海域に適用される。
(3) 全窒素と全りんは,湖沼及び海域に適用される。
(4) 全亜鉛は,河川,湖沼及び海域に適用される。
(5) 底層溶存酸素量は,河川及び湖沼に適用される。
問題8の解答
正解は「5」です。
問題8の解説
解答に至るまでのステップ
- 環境基準の適用範囲 – 水質汚濁に係る環境基準は、水域の区分によって適用・不適用が定められている場合があります。
- ふっ素・ほう素:海域には適用しないと環境基準告示の備考に明記されています。これは海水中に天然由来で高濃度に含まれるためです。したがって(1)「海域には適用されない」は正しいです。
- BOD/COD:河川ではBOD、湖沼・海域ではCODを水質の有機汚濁指標としています。したがって(2)は正しいです。
- 全窒素・全りん:湖沼及び海域の富栄養化防止を目的に環境基準が適用されます(河川には適用なし)。したがって(3)は正しいです。
- 全亜鉛:健康項目として河川、湖沼、海域すべてに適用されます。全亜鉛の基準(0.03mg/L以下)は公共用水域すべてで達成すべき基準です。よって(4)は正しいです。
- 底層溶存酸素量(DO):これは湖沼や内湾等の底層での酸素量に対する基準で、湖沼では類型ごとに「底層DO●mg/L以上」と定められています。一方、河川には底層DOの基準はありません。河川は流れがあるため水塊の上下で大きな酸素差が生じにくく、環境基準では一律にDOを規定しています(河川DOは表層の値で評価)。したがって(5)「河川及び湖沼に適用される」は誤りです。
以上より、不適切な記述は(5)です。
問題のポイント
水質環境基準の適用対象を正しく理解する必要があります。とりわけ、
底層DO:湖沼・湾等のみ設定、河川にはなし。
本問のポイントは底層DO基準の扱いです。河川ではDO基準は表層含め一定で、底層という概念がないため(5)が誤りとなります。環境基準の細かな適用条件に注意しましょう。
ふっ素・ほう素:海では適用外。
- 有機汚濁指標:河川=BOD、湖沼海域=COD。
- 富栄養化指標:全窒素・全りんは閉鎖性水域(湖・海)に適用。
- 重金属類:ほとんど全水域に適用(全亜鉛も含む)。


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