
公害防止管理者の過去問|令和3年 水質概論 問6 問題と解説
問題6
環境省の平成30年度地下水質測定結果(概況調査)において、環境基準値を超過した項目は次のうちどれか。
- 全シアン
- 総水銀
- 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
- PCB
- 1,3-ジクロロプロペン
問題6の解答
正解は「3」です。
問題6の解説
この問題は、環境省が公表した「平成30年度 地下水質測定結果」のうち、「概況調査(がいきょうちょうさ)」の結果において、環境基準を超過した項目を選ぶものです。結論から言うと、正解は「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」です。
地下水の「概況調査」において、環境基準超過率が最も高いのがこの項目であることは、近年の一貫したトレンドです。
【データで見る正解の根拠】
平成30年度の報告書(表2)を見ると、結果は以下の通りです。
| 選択肢の項目 | 超過数(本) | 超過率(%) | 判定 |
| 全シアン | 0 | 0.0% | 超過なし |
| 総水銀 | 0 | 0.0% | 超過なし |
| PCB | 0 | 0.0% | 超過なし |
| 1,3-ジクロロプロペン | 0 | 0.0% | 超過なし |
| 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 85 | 2.9% | 超過あり |
なぜ「硝酸性窒素」ばかりが高いのか?
他の項目(シアン、水銀、PCBなど)は主に工場由来の汚染物質であり、規制が厳しくなっているため、全国的なスクリーニング調査(概況調査)で新たに見つかることは稀です。一方、硝酸性窒素の原因は、以下のように生活に密着したものが多いため、広範囲で検出されやすいのです。
- 農業:畑に撒かれた肥料(過剰施肥)
- 畜産:家畜の排泄物の処理不備
- 生活排水:下水道が未整備な地域の排水
これらが雨水とともに地下に浸透し、蓄積されるため、統計上常に上位にランクインします。
問題を解くポイント
この問題を解く鍵は、「調査の種類」と「汚染の常連」を知ることです。
- 「概況調査」というキーワード
- これは「全国の地下水の健康診断」のようなものです。広く浅く調べるため、局所的な工場汚染(PCB等)は引っかかりにくく、面的な汚染(硝酸性窒素)が目立ちます。
- 逆に「継続監視調査(汚染が見つかった場所の追跡)」であれば、PCBやヒ素なども超過が見られます。問題文が「概況調査」であることを必ず確認しましょう。
- 地下水汚染のワースト3を覚える
- 年度によって多少前後しますが、地下水の環境基準超過項目の常連は以下の通りです。
- 1位:硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(肥料・生活排水由来)
- 2位:ヒ素(自然由来が多い)
- 3位:ふっ素(自然由来が多い)
- 「硝酸性窒素」が選択肢にあれば、それが正解になる確率が非常に高いです。
- 年度によって多少前後しますが、地下水の環境基準超過項目の常連は以下の通りです。


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