公害防止管理者はエネルギー管理士の資格で免除される?難易度の比較も紹介

公害防止管理者はエネルギー管理士の資格で免除される?難易度の比較も紹介
  • URLをコピーしました!

公害防止管理者の国家試験を受ける際に、エネルギー管理士の有資格者に対する優遇措置の有無について気になっている人たちもいるかもしれません。特定の工場に関わる国家試験という共通項がありますから科目の免除等の特典があったら嬉しいですよね。

本記事では、「公害防止管理者がエネルギー管理士の資格で免除になるのか?」という疑問に対する公式の見解をまとめています。また、両資格に関する難易度の比較や性質上の違いにも言及しているので、これから公害防止管理者の試験勉強を始める人たちは参考にしてみてください。

目次

公害防止管理者はエネルギー管理士の資格で免除される?

残念ながら、エネルギー管理士の資格を持っていても、公害防止管理者の国家試験が完全に免除されるわけではありません。両者は特定の工場において専門的な役割を果たす点では共通していますが、取得条件の緩和といった融通が効くわけではないのです。

しかしながら、エネルギー管理士を持っている人は公害防止管理者資格をスムーズに取得可能な制度を利用できる可能性があります。具体的に言うと、公害防止管理者の資格取得には、国家試験の合格だけではなく、「資格認定講習」というルートがあります。

資格認定講習とは、エネルギー管理士などの一定の技術系資格保有者が専用の講習を受けて、修了試験に合格すれば、公害防止管理者の国家資格を取得できるという制度です。何もせずに公害防止管理者の国家資格が与えられるわけではありませんが、技術系有資格者が利用可能な便利な仕組みです。

つまり、エネルギー管理士を持っていれば、講習ルートで効率的に公害防止管理者資格を取得できるチャンスがあるのです

公害防止管理者とエネルギー管理士はどっちが難しい?

現実的に考えると、公害防止管理者とエネルギー管理士はいずれも試験傾向が異なるので、難易度を比較するのは難しいと言ってよいでしょう。

2024年の合格率を見てみると、公害防止管理者は全区分を平均すると25.9%です。一方で、エネルギー管理士は37.0%と高くなっています。とはいえ、双方ともに約3〜4人に1人しか合格できない国家資格となっていることを踏まえると、難しさに大きな差分があるとは言えません。

また、両試験の出題内容に違いがあるので、難易度を単純に評価できません。

公害防止管理者は環境工学と化学、そして公害関連法令などの幅広い知識を暗記する負担が大きいのが特徴です。科目数も多いことに加えて、それぞれの試験の出題数も違うので、1問のミスが合否に大きく影響すると言われています。

エネルギー管理士の試験は熱力学や電気工学などの計算問題が多く、理系の専門知識と応用力が問われると言えます。特に、熱分野では高度な熱効率計算、電気分野では電力・電気設備計算が出題され、公式の理解と計算演習量が合否を分けます。

以上のことからも、暗記が得意な人にとっては公害防止管理者、計算が得意な人にはエネルギー管理士の方が取り組みやすい場合もあり、得意分野によって難易度は変わざるを得ないわけです。総じて、両資格とも十分な勉強時間の確保と過去問演習が不可欠な難関試験である点は共通しています。

公害防止管理者とエネルギー管理士の違い

両資格は「目的と法的な役割」「資格区分と取得方法」「必要とされる業種・求人需要」の3点で大きく異なります。ここから順にその違いを解説します。

その1 資格の目的と法制度上の役割の違い

第1に、公害防止管理者は「公害の予防」、エネルギー管理士は「省エネルギーの推進」という目的がそれぞれ異なる資格です

より具体的に説明すると、公害防止管理者制度は高度経済成長期の公害対策として設けられ、大気汚染や水質汚濁、騒音などを発生させる「特定工場」では公害防止組織を設けて有資格者を選任することが法律で義務付けられています。

エネルギー管理士は省エネ法に基づく資格で、エネルギー大量使用事業者においてエネルギー管理者として選任され、工場やビルの省エネ監督を担う役割があります。

例えば、大規模な製油所では高温ボイラー等から有害排出物が出るため公害防止管理者の選任が必要で、同時に膨大な燃料・電力を消費するためエネルギー管理者の配置も求められます。

このように、公害防止管理者は環境への汚染防止、エネルギー管理士はエネルギー消費削減という異なる使命を負っており、それぞれ別個の法制度で選任が義務づけられています。

その2 資格区分や取得方法の違い

第2に、公害防止管理者は公害の種類ごとに細かく資格の区分が分かれている点がエネルギー管理士とは異なります。大気関係や水質関係など公害の種類別に「1種~4種」等13区分の資格が存在し、それぞれ担当できる工場設備の規模が異なります。

受験者は自社施設に必要な区分を選んで受験しますが、区分をまたいで共通科目があるため、一度ある区分に合格すれば他区分受験時に共通科目が免除される制度もあります。

これに対して、エネルギー管理士は熱分野と電気分野に分かれるものの資格名称は一つです。試験では必須の基礎科目に加え、受験申込時に熱或いは電気のいずれかを専門科目を選択します。合格後は「熱管理士」や「電気管理士」といった区別はされずに同じ免状が交付されます。

その3 求人需要の違い

第3に、公害防止管理者とエネルギー管理士の資格では、求人需要に違いがあります

Indeedの検索エンジンに「公害防止管理者」と「エネルギー管理士」をそれぞれ入力すると、検索ヒット数は以下の通りです(※検索した日は2025年12月26日です)。

  • 公害防止管理者:100件
  • エネルギー管理士:800件
Indeed 公害防止管理者の求人数
Indeed 公害防止管理者の求人数
Indeed エネルギー管理士の求人数
Indeed エネルギー管理士の求人数

Indeedでヒットする件数に8倍の違いがあるのは、エネルギー管理士の求人が比較的に多いことを物語っています。けれども、公害防止管理者は一定の要件を満たす工場では法律上必置が義務付けられているので、絶対に必要な役割であることに変わりはありません。

製油所や化学工場など両資格が必要となる大規模プラントでは、有資格者は貴重な戦力です。両方の資格を持っていれば業務の幅が広がり、転職市場でも環境・エネルギー管理の即戦力としてアピールできるでしょう。

まとめ:資格認定講習の道を考えてみよう

公害防止管理者とエネルギー管理士は環境保全と省エネの両面で重要な国家資格です。それぞれ試験難易度は高いですが、自社の設備管理に直結する知識を体系的に学べるため取得する価値は大きい資格でもあります。

特に、製造業では環境・エネルギー分野の法令遵守が年々厳しくなっており、両資格を持つ人材は社内外で重宝されるでしょう。試験勉強にはまとまった時間と計画が必要ですが、条件を満たせば資格認定講習を活用するのも一つの手段です。

講習ルートなら独学が難しい部分も体系的に習得でき、修了試験に合格すれば国家試験と同じ資格証を得られます。ぜひ自身の経歴や実務に応じて最適な取得方法を検討し、環境とエネルギー管理のスペシャリストとしてキャリアアップにつなげてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

コメント

コメントする

目次