公害防止管理者の過去問|令和4年 公害総論 問9 問題と解説

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問題9

光化学オキシダントに関する記述として、誤っているものはどれか(環境省:令和3年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書による)。

  • 環境基準は、1時間値の1日平均値として0.06ppm以下である。
  • 環境基準を達成した測定局の数は非常に少ない状況が続いている。
  • 200局以上の一般環境大気測定局において、昼間の1時間値の年間最高値が0.12ppmを超えている。
  • 長期的な環境改善傾向は、8時間値の日最高値の年間99パーセンタイル値の3年平均値で評価されている。
  • 2020(令和2)年の光化学オキシダント注意報の発令延日数を月別にみると、8月が最も多かった。

問題9の解答

正解は「1」です。

問題9の解説

環境省では、「大気汚染に係る環境基準」を公開しています。

物質環境上の条件(設定年月日等)測定方法
二酸化いおう
(SO
1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。(48.5.16告示)溶液導電率法又は紫外線蛍光法
一酸化炭素
(CO)
1時間値の1日平均値が10ppm 以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm 以下であること。(48.5.8告示)非分散型赤外分析計を用いる方法
浮遊粒子状物質
(SPM)
1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。(48. 5.8告示)濾過捕集による重量濃度測定方法又はこの方法によって測定された重量濃度と直線的な関係を有する量が得られる光散乱法、圧電天びん法若しくはベータ線吸収法
二酸化窒素
(NO
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。(53. 7.11告示)ザルツマン試薬を用いる吸光光度法又はオゾンを用いる化学発光法
光化学オキシダント
(O
1時間値が0.06ppm以下であること 。(48.5.8告示)中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法若しくは電量法、紫外線吸収法又はエチレンを用いる化学発光法

光化学オキシダント(Ox)のみ「1日平均値」という条件がありません。あくまでも「1時間値が0.06ppm以下であること」という基準になっています。

他の選択肢の正しさを確認

選択肢2 → 正しい

達成局数は「一般局で0.1%、自排局0%」で極めて低いのが実情です。

選択肢3 → 正しい

年間最高値 0.12ppm を超える局は 200局以上あります。

選択肢4 → 正しい

長期改善傾向は 8時間値の日最高値の99パーセンタイル値(3年平均)。環境白書の大気質評価基準そのもの。

選択肢5 → 正しいが間違いになる可能性がある

令和2年の注意報は 6月が最多、8月ではない。 誤りに見えるが、本問題は「令和3年版環境白書による」=令和元年(2019年)ベースで構成2020年のデータ基準なら問題文がミスマッチとなる。この選択肢は元問題の年度前提から正しくなる可能性があり、すくなくとも選択肢1よりは“誤りとして扱われない”。

したがって、公式に誤りと明確に断定できるのは選択肢1だけ となる。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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