公害防止管理者の過去問|令和7年 ばいじん・粉じん特論 問15  問題と解説

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問題15

排ガス中のダスト濃度測定に用いられるダスト捕集器のろ過材に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ふっ素樹脂ろ紙は、ろ過抵抗が小さい。
  • シリカ繊維ろ紙は、耐熱性に優れるが加熱減量が大きい。
  • メンブレンろ紙は、耐熱性が低いため主として一般空気中の使用に適する。
  • ガラス繊維ろ紙は、耐熱性が高く強度も大きい。
  • ガラス繊維ろ紙は、SOxなどのガスが含まれる排ガスに使用すると大きな誤差を生じる。

問題15の解答

正解は「1」です。

問題15の解説

排ガス中ダスト濃度の重量法(JIS Z 8808 などの体系)では、ダスト捕集器のろ材(ろ紙)は、捕集効率だけでなく

  • 耐熱性(測定温度に耐えるか)
  • 共存ガス(SOx など)への吸着・反応性(質量が増減して誤差にならないか)
  • ろ過抵抗(圧力損失が大きすぎて規定流量で吸引できるか)

といった観点で選定します。

この観点で各選択肢を確認すると、1 の記述だけが「逆」を言っています。

① ふっ素樹脂ろ紙(PTFE系)は「ろ過抵抗が大きい」側

ふっ素樹脂ろ紙は、酸性ガスやミストと反応・吸着しにくいので排ガス条件によっては有利ですが、一般に“ろ過抵抗が大きい”ことが欠点として知られます

実際、排ガス中ダスト濃度測定用ろ紙に関する特許文献でも、ふっ素樹脂製ろ紙は「前二者(ガラス繊維・シリカ繊維)にくらべて濾過抵抗が10倍程度高い」ことが大きな欠点、と明記されています。

したがって、選択肢1の「ろ過抵抗が小さい」は誤りです。

② シリカ繊維ろ紙:耐熱性が高い(高温に対応)

シリカ繊維ろ紙は高温排ガスに適用される代表的ろ材で、製品説明等でも高温対応が示されています(例:800℃程度までの記載など)。※「加熱減量が大きい/小さい」は製品・前処理条件で変動し得ますが、少なくとも②の主旨である「耐熱性に優れる」は妥当です。

③ メンブレンろ紙:耐熱性が低く、主に一般空気向け

メンブレンろ紙は孔径が均一で捕集率は高い一方、耐熱温度が低く(概ね 110℃程度までという整理が一般的)、高温排ガス向けには不向きで、一般空気の測定で使われることが多い、という整理は妥当です。

④ ガラス繊維ろ紙:耐熱性が比較的高く、強度もあり広く使われる

ガラス繊維ろ紙は実務で広く使われ、特許文献でも「加熱時の減量が比較的少なく、強度もかなり大きいため一般に広く用いられている」と整理されています。

⑤ ガラス繊維ろ紙:SOx 等を含むと誤差が大きくなることがある

ガラス繊維ろ紙は、ろ紙中の成分が排ガス中の酸性成分(SOx など)と吸着・反応して質量が変化し、測定誤差の原因になり得ます(特許文献でもその趣旨が明記)。また JIS Z 8808 でも、硫酸ミスト等の影響が懸念される場合は、反応を起こさないろ紙(ふっ素樹脂製ろ紙や硫酸処理シリカ繊維ろ紙等)を用いる旨が示されており、裏返すとガラス繊維ろ紙では影響を受けうるという方向性と整合します。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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