
公害防止管理者の過去問|令和7年 ばいじん・粉じん特論 問2 問題と解説
問題2
各種集じん装置の実用範囲において、圧力損失が最も大きいものはどれか。
- 重力沈降室
- ルーバー形慣性力集じん装置
- サイクロン
- ベンチュリスクラバー
- バグフィルター
問題2の解答
正解は「4」です。
問題2の解説
解答に至るまでのステップ
ステップ1 原理・原則:圧力損失とは何かを確認します
圧力損失とは、ガスが集じん装置を通過する際に失われる圧力のことです。圧力損失が大きいほど、ガスを流すために送風機(ファン)の動力が大きく必要で、運転コスト(電力)が高くなるという特徴があります。集じん装置の圧力損失は、主に次の要因で大きくなります。
- ガス流速が大きい
- 流路が狭い、急激に曲がる
- ガスと液体・ろ布などが強く接触・衝突する
この原理を踏まえて、各装置を比較します。
ステップ2 各集じん装置の圧力損失の大小関係を整理します
ここでは、実用範囲における一般的な傾向として比較します。
1. 重力沈降室→ 圧力損失は非常に小さいです。
ガスは広い空間をゆっくり流れるだけで、重力による沈降を利用します。流速が低く、障害物も少ないため、圧力損失は最小レベルです。
2. ルーバー形慣性力集じん装置→ 小~中程度です。
ガスの流れを板(ルーバー)で急に曲げ、粒子を慣性で分離します。多少の流路抵抗はありますが、流速はそれほど高くありません。
3. サイクロン→ 中程度です。
ガスを高速で旋回させ、遠心力で粒子を分離します。流速が高くなるため、重力沈降室や慣性力集じん装置より圧力損失は大きくなりますが、後述の装置ほどではありません。
4. ベンチュリスクラバー→ 非常に大きいです。
ベンチュリスクラバーは、のど部(狭い部分)でガスを非常に高速(数十 m/s)にし、液体を微粒化して粉じんと激しく衝突させます。このため、
- ガス流速が極めて大きい
- 流路が強く絞られる
- ガスと液滴の激しい衝突が起こる
という条件が重なり、圧力損失は集じん装置の中で最大級になります。
5. バグフィルター→ 中~やや大きいです。
ろ布とダスト層をガスが通過するため圧力損失は発生しますが、適切な払い落とし(パルスジェット等)により一定範囲に制御されます。一般に、ベンチュリスクラバーほど大きくはなりません。
ステップ3 圧力損失の大小を最終比較します
圧力損失の一般的な大小関係は、次のように整理できます。
重力沈降室
< ルーバー形慣性力集じん装置
< サイクロン
< バグフィルター
< ベンチュリスクラバー
この比較から、最も圧力損失が大きいのはベンチュリスクラバーであることが明確です。
問題のポイント
- 圧力損失は「ガス流速が高い」「流路が狭い」「衝突が激しい」ほど大きくなる
- ベンチュリスクラバーは、
- のど部で極めて高い流速
- ガスと液滴の激しい衝突
を利用するため、集じん性能は高いが圧力損失も最大級
- 試験では「高性能だが圧力損失が大きい湿式集じん装置=ベンチュリスクラバー」という対応関係を覚えておくと判断しやすくなります。


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