公害防止管理者の過去問|令和5年 ばいじん・粉じん特論 問11  問題と解説

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問題11

石綿繊維数の判定方法に関する記述として、誤っているものはどれか。

ただし、判定は「アスベストモニタリングマニュアル(第4.2版)」及び「作業環境測定ガイドブック1鉱物性粉じん・石綿」の規定に従うものとする。

  1. 単繊維が曲がっている場合には、繊維の直線部分を目安にして曲がっている部分に沿って真の長さを推定して判定する。
  2. 枝分かれした繊維の場合には、一つの繊維から枝分かれした部分を含む全体を1本と数える。
  3. 数本の繊維が交差している場合には、交差しているそれぞれの繊維を1本と数える。
  4. 繊維がからまって正確に数を読みとることができない場合には、まとめて1本と数える。
  5. 粒子が付着している繊維の場合は、粒子を無視して計数する。

問題11の解答

正解は「4」です。

問題11の解説

石綿(アスベスト)のモニタリングマニュアルに基づき、顕微鏡で繊維を数える際のルール(計数ルール)に関する問題です。 選択肢4が誤りです。

解答に至るまでのステップ

ステップ1:判定の基本ルール(原理・原則)を確認する

まず、石綿の測定(位相差顕微鏡法)において、「繊維」として数えるための条件をおさえましょう。 基本的には、長さが5μm以上、幅に対する長さの比(アスペクト比)が 3以上 のものを「繊維」として数えます。 この定義に当てはまるかどうかを判断できない状態のものは、数えることができません。

ステップ2:正しい記述(選択肢1, 2, 3, 5)を確認する マニュアルには、迷いやすいケースについての規定があります。

  • 選択肢1(正しい): 単繊維が曲がっている場合
    • 繊維が湾曲している場合は、直線の距離(始点と終点を結んだ距離)ではなく、曲がっている中心線に沿った実際の長さ(真の長さ)を推定して判定します
  • 選択肢2(正しい): 枝分かれした繊維(束状になっているもの)の場合
    • 縦に裂けていたり、枝分かれしていたりしても、元が1つの束(束状繊維)としてつながっている場合は、全体をまとめて1本と数えます
  • 選択肢3(正しい): 数本の繊維が交差している場合
    • 別々の繊維がたまたま重なったり交差したりしている場合は、それぞれの形状が区別できる限り、独立した繊維としてそれぞれ(2本なら2本と)数えます
  • 選択肢5(正しい): 粒子が付着している繊維の場合
    • 繊維に丸いホコリ(粒子)がくっついている場合は、その粒子はないものとみなして、繊維部分の長さや幅を見て判定します。

ステップ3:誤っている記述(選択肢4)を特定する

  • 選択肢4(誤り): 繊維がからまって正確に数を読みとることができない場合
    • マニュアルの規定では、繊維が密集・交差して、一本一本を区別できない(分離して認識できない)塊になっているものは、計数対象としません(数えません)
    • 「まとめて1本と数える」としてしまうと、巨大な塊も小さな1本も同じ扱いになり、正確な汚染状況が把握できなくなるためです。正確に読めないものは除外するのがルールです。

問題のポイント

この問題の核となるのは、「区別できないものは数えない」という原則です。

  • 1本と数えるもの: 枝分かれ(つながっている)、束になっているもの。
  • 別々に数えるもの: 交差している(独立しているのがわかる)もの。
  • 数えないもの: 絡まりすぎて何本あるかわからない塊(凝集体)。

試験では「枝分かれ」と「交差」と「塊(凝集体)」の扱いの違いがよく問われます。「つながっていれば1本、重なっているだけなら別々、ぐちゃぐちゃなら数えない」と整理しておきましょう。

今回の解説は以上です。 文系の方には馴染みのない顕微鏡の世界かもしれませんが、「ルールブックに従って淡々と判定する審判」になったつもりで覚えるとスムーズですよ。

次の学習ステップとして、実際のアスベスト繊維の顕微鏡写真やイラストを用いた計数事例を見て、目を慣らしてみることをお勧めします。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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