公害防止管理者の過去問|令和5年 ばいじん・粉じん特論 問6  問題と解説

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問題6

加圧水式洗浄集じん装置に分類されないものはどれか。

  • ジェットスクラバー
  • 流動層スクラバー
  • スプレー塔
  • ベンチュリスクラバー
  • サイクロンスクラバー

問題6の解答

正解は「2」です。

問題6の解説

本問は、湿式集じん装置(スクラバー)の分類を理解しているかを問う概念問題である。

ポイントは「加圧水式洗浄(=ノズル等で加圧した洗浄水を噴霧・噴射し、粒子を液滴に捕集させる方式)」に該当する代表例を押さえ、同じ“スクラバー”という名称でも捕集の仕組み(装置内部の構造と接触様式)が異なるものを見分けることである。

解答に至るまでのステップ

ステップ1 「加圧水式洗浄集じん装置」の定義を確認する

このステップでは、「加圧水式洗浄」と呼ばれるときに、装置がどのように液体(水)を使って粒子を捕集するのかを確認する。加圧水式洗浄集じん装置は、一般にポンプ等で加圧した水をノズルから噴霧・噴射し、ガス中の粒子を液滴に衝突・付着させて捕集するタイプを指す。

つまり、捕集の中心は「液滴(噴霧・噴射された水)」との接触であり、装置内部に固定充填物や流動媒体を主体として持たない整理になる。参照すべき根拠は、法令の条文というより、大気汚染防止工学・集じん工学の教科書における湿式集じん装置の分類(噴霧塔、ジェット、ベンチュリ等を“噴霧・噴射系”としてまとめる整理)である。

ステップ2 各選択肢が「噴霧・噴射主体」か「別の接触機構主体」かを整理する

このステップでは、各装置が「加圧水(噴霧・噴射)で捕集する代表例」かどうかを、装置名から判定できるように整理する。

  • ジェットスクラバーは、高速のガス流や液噴射を利用して強い乱流・衝突をつくり、液滴への捕集を進める装置であり、噴射水を前提とするため加圧水式の代表例に入る。
  • スプレー塔は、塔内にノズルで噴霧した液滴を形成して接触させるため、加圧水式の典型である。
  • ベンチュリスクラバーは、ベンチュリ部でガスを加速し、液を噴霧して微細液滴を作り慣性衝突等で捕集するため、加圧水式の代表例である。
  • サイクロンスクラバー(湿式サイクロン、サイクロン型スクラバー)は、旋回流(遠心力)を利用しつつ、液の噴霧・供給で粒子を捕集する形式で、一般的な分類では「加圧水噴霧系(噴射・噴霧を用いる湿式装置群)」の側に置かれることが多い。

一方で、流動層スクラバーは、内部に粒状媒体などを流動化させ、その媒体表面の濡れ膜や付着液を介して接触・捕集を行うなど、装置の中心が「流動層(媒体の流動化)」という別の接触機構にある。したがって、同じスクラバーでも「加圧水の噴霧・噴射を主役とする群」には通常含めず、流動層式(流動層洗浄)として別枠で整理するのが教科書的である。

参照すべき根拠は、湿式集じんの分類(噴霧塔・ジェット・ベンチュリなどの噴霧/噴射型と、充填塔・泡沫塔・流動層型などの接触機構型を区別する整理)を扱う大気汚染防止工学・集じん工学の標準的記述である。

ステップ3 「分類されないもの」を選択肢から特定して判断する

このステップでは、ステップ2の整理を使い、「加圧水式洗浄集じん装置(噴霧・噴射主体)」に当てはまらないものを選ぶ。

選択肢のうち、スプレー塔・ジェットスクラバー・ベンチュリスクラバーは名称からも機構からも噴霧/噴射が中心で、加圧水式の代表例として矛盾しない。サイクロンスクラバーも湿式で水を供給しつつ捕集する形式で、噴霧系の一群として扱われることが多い。

これに対して、流動層スクラバーは流動層という構造・接触様式が本体であり、加圧水噴霧を中心に定義される群から外れる。よって「加圧水式洗浄集じん装置に分類されないもの」は 2 と判断できる

問題のポイント

この問題で最も重要なのは、「スクラバー」という言葉が付いていても、装置の分類は“水を使うかどうか”ではなく、“どう接触させて捕集するか”で決まる点である。

受験者が混乱しやすいのは、流動層スクラバーも水を使うため「加圧水式」に入るように見えてしまうことで、名称に“洗浄”や“スクラバー”があるだけで同一カテゴリだと早合点しやすい。

さらに、サイクロンスクラバーは“サイクロン”が付くため乾式サイクロンと同一視して除外したくなるが、これは湿式で液を使う別物であり、ここで取り違えると誤答につながる。

本番では「噴霧・噴射で液滴を作る代表例(スプレー・ジェット・ベンチュリ)か、それ以外の接触機構(流動層など)か」でまず二分するのが見分け方である。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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