
公害防止管理者の過去問|令和5年 水質概論 問10 問題と解説
問題10
水生生物の保全に係る水質環境基準項目及び要監視項目に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 環境基準として、全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩について基準値が設定されている。
- 河川における環境基準として、2016(平成28)年に、底層溶存酸素量(底層DO)が追加された。
- 湖沼における全亜鉛の環境基準値は、0.03mg/L以下である。
- 水生生物の保全に係る要監視項目には、クロロホルム、フェノールなど、6項目が設定されている。
- 水生生物の保全に係る要監視項目の指針値は、水域と類型とに応じて設定されている。
問題10の解答
正解は「2」です。
問題10の解説
設問2は「河川における環境基準として、2016(平成28)年に底層溶存酸素量(底層DO)が追加」としていますが、環境省の資料では、底層DOの類型指定の対象は「海域と湖沼」であることが明確に示されています。つまり、河川(=底層という概念が成立しにくい)を対象として追加された、という言い方は不適切です。
- 根拠(環境省資料:底層DOは海域と湖沼のみ該当)
URL:https://www.env.go.jp/content/000244313.pdf
なお、底層DOが平成28年(2016年)に環境基準へ位置付けられた趣旨自体は各種資料に見られますが、「河川における環境基準」と断定している点が誤り、というのがこの設問のポイントです。
1. 環境基準として、全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩について基準値が設定されている。
正しい。環境省の環境基準表(例:湖沼の表)で、これら3項目(全亜鉛、ノニルフェノール、LAS及びその塩)が水生生物の保全に係る基準項目として並列で示されています。
- 根拠(環境省:生活環境の保全に関する環境基準(湖沼))
URL:https://www.env.go.jp/kijun/wt2-1-2.html
2. 河川における環境基準として、2016(平成28)年に、底層溶存酸素量(底層DO)が追加された。
誤り(本問の正解)。環境省資料で、底層DOの類型指定対象は海域と湖沼のみと示されています。よって「河川における環境基準」とする記述は誤りです。
- 根拠(環境省)
URL:https://www.env.go.jp/content/000244313.pdf
3. 湖沼における全亜鉛の環境基準値は、0.03mg/L以下である。
正しい。環境省の環境基準表(湖沼)で、全亜鉛は(生物A・生物特A・生物B等の区分において)0.03 mg/L以下と示されています。
- 根拠(環境省)
URL:https://www.env.go.jp/kijun/wt2-1-2.html
4. 水生生物の保全に係る要監視項目には、クロロホルム、フェノールなど、6項目が設定されている。
正しい。環境省のページ「要監視項目及び指針値(水生生物の保全に係る項目)」に、要監視項目として
クロロホルム、フェノール、ホルムアルデヒド、4-t-オクチルフェノール、アニリン、2,4-ジクロロフェノールの6項目が掲載されています。
5. 水生生物の保全に係る要監視項目の指針値は、水域と類型とに応じて設定されている。
正しい。上記の環境省ページでは、各物質について水域(淡水域/海水域)と類型(生物A、生物特A、生物B、生物特B等)ごとに指針値が整理されています。
問題を解くポイント
- 底層DO(底層溶存酸素量)は「底層」を前提にする指標なので、制度上の整理でも対象が海域・湖沼に置かれています。設問のように「河川」と断定していたら要注意。
- 「環境基準(基準値がある項目)」と「要監視項目(指針値で監視を行う項目)」は混同しやすいので、環境省の掲載表で“項目の位置づけ”と“数”を確認するのが得点のコツです。


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