
公害防止管理者の過去問|令和7年 水質概論 問5 問題と解説
問題5
要監視項目の水質の状況に関する記述として、誤っているものはどれか(環境省:令和4年度公共用水域水質測定結果による)。
- モリブデン、アンチモンは河川で指針値を超過した地点があった。
- 全マンガンは、河川及び湖沼で超過率が高いものの一つである。
- 海域においてウランの超過率が高いのは、海水中に天然に存在するウランによるものと考えられる。
- ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の指針値(暫定)は、各々の化学物質について定められたものである。
- 生活環境項目の水生生物の保全に係る要監視項目(6項目)については、河川、湖沼、海域とも、指針値を超過した検体はなかった。
問題5の解答
正解は「4」です。
問題5の解説
本問は、環境省の 「令和4年度公共用水域水質測定結果」に掲載されている「要監視項目の指針値超過状況(表17-1、表17-3)」を正確に読めているかを問う問題です。
1. 「モリブデン、アンチモンは河川で指針値を超過した地点があった」…正しい
表17-1(令和4年度)では、モリブデン:河川で超過地点数 1、アンチモン:河川で超過地点数 2
と示されています。したがって記述は正しいです。
2. 「全マンガンは、河川及び湖沼で超過率が高いものの一つ」…正しい
表17-1(令和4年度)で 全マンガンは、河川:超過率 2.2%(超過地点数 18)、湖沼:超過率 9.6%(超過地点数 5)、海域:超過率 0%となっており、河川・湖沼で相対的に超過率が高い要監視項目の一つです。
3. 「海域でウランの超過率が高いのは、海水中に天然に存在するウランによるもの」…正しい
表17-1(令和4年度)で ウランは、「海域:超過率 88.1%(超過地点数 59/調査地点数 67)」と非常に高い一方、河川・湖沼では大きく状況が異なります。
同表の注記として、一般的な海水中のウラン濃度に言及があり(海水中に天然に存在することを前提とした説明)、設問3の趣旨(“天然由来の寄与”)と整合します。
4. 「PFOS・PFOAの指針値(暫定)は各々に定められた」…誤り(ここが正答)
表17-1の注記において、PFOS及びPFOAの指針値(暫定)は“PFOS及びPFOAの合計値”と明記されています。 環境省の公表資料でも、公共用水域・地下水の要監視項目としての指針値(暫定)は 「PFOS及びPFOAの合算(合計)で50 ng/L」の形で整理されています。
よって「各々に定められた」は条文・公表値の整理に反するため誤りです。
5. 「水生生物の保全に係る要監視項目(6項目)は、河川・湖沼・海域とも超過検体なし」…正しい
表17-3(令和4年度)では、水生生物保全に係る要監視項目(6項目)について、河川・湖沼・海域のいずれも超過地点数が 0 と示されています。したがって記述は正しいです。
問題を解くポイント
- PFOS・PFOAは“合計値”で整理する(試験頻出のひっかけ)
「各々」ではなく「PFOS+PFOA(合算)」が基準整理の基本です。 - 表17-1は“人の健康の保護”の要監視項目、表17-3は“水生生物保全”の要監視項目
どの表を根拠にするかを取り違えない。 - 海域で高率に超過し得る項目(例:ウラン)は“天然由来”の説明が注記に出やすい
数値(超過率)と注記のセットで押さえると誤答しにくい。


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