公害防止管理者の過去問|令和5年 水質概論 問2 問題と解説

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問題2

水質汚濁防止法に規定する有害物質でないものはどれか。

  • セレン及びその化合物
  • ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(別名PFOS)及びその塩
  • ジオキサン
  • ふっ素及びその化合物
  • ほう素及びその化合物

問題2の解答

正解は「2」です。

問題2の解説

水質汚濁防止法において、「有害物質」「指定物質」は明確に区別されています。

  1. 有害物質とは(法第2条第2項第1号) 人の健康に被害を生ずるおそれがある物質として、政令で定めるものを指します。これらは排水基準が設定され、違反すると直ちに処罰の対象となります。
    • カドミウム、シアン、鉛、六価クロム、砒素、水銀などの伝統的な重金属類。
    • トリクロロエチレンなどの揮発性有機化合物。
    • セレン、ほう素、ふっ素(選択肢にある物質)。
    • 1,4-ジオキサン(選択肢にある物質)。
    • これらを含む全28物質が指定されています。
  2. 指定物質とは(法第2条第4項) 公共用水域に多量に排出されると、人の健康や生活環境に被害を生ずるおそれがある物質として、政令で定めるものです。こちらは排水基準のような常時規制ではなく、事故時の応急措置や届出義務(第14条の2)の対象となります。
    • PFOS(ペルフルオロオクランスルホン酸)及びその塩は、ここに分類されます。

PFOSやPFOAは、近年その有害性が注目され、水質管理目標設定項目(暫定目標値)などは設定されていますが、水質汚濁防止法上の「有害物質」としてはまだ指定されていません。 その代わり、事故などで流出した際に対処が必要な「指定物質」としてリストアップされています。

したがって、選択肢の中で唯一、法的な「有害物質」の枠組みに入っていないのはPFOSとなります。

問題を解くポイント

この種の問題を解く鍵は、「有名だけど有害物質リストに入っていないもの」を把握しておくことです。

  • 有害物質(排水基準あり・罰則直結)
    • セレン
    • ほう素
    • ふっ素
    • 1,4-ジオキサン
    • これらは「有害物質」です。特に「ほう素・ふっ素・硝酸性窒素等」は自然由来でも出るため忘れがちですが、法的には有害物質です。
  • 指定物質(事故時のみ対応)
    • PFOS 及びその塩
    • PFOA 及びその塩
    • 塩素酸
    • アルミニウム
    • など
    • これらは「環境への影響は懸念されているが、一律の排水基準で縛る『有害物質』とは区別されている」と覚えてください。

「ニュースで話題のPFOS・PFOAは、まだ『指定席(指定物質)』に座っているだけ」とイメージしましょう。有害物質という「本採用(排水基準)」には至っていない、という法的ステータスの違いを意識することが合格への近道です。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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