公害防止管理者の過去問|令和4年 水質概論 問10 問題と解説

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問題10

国又は地方公共団体の水質汚濁防止対策に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • 公共用水域の水質汚濁に係る環境基準には、人の健康の保護に関する環境基準と生活環境の保全に関する環境基準がある。
  • 水質汚濁防止法(以下「水濁法」という。)により特定事業場から公共用水域に排出される水については、全国一律の排水基準が設定され、約半数の都道府県において上乗せ排水基準が設定されている。
  • 湖沼の水質保全のため、水濁法に基づき、COD、窒素含有量及びりん含有量などに係る排水規制が実施されている。
  • 公共用水域の環境基準を達成し維持するため、水濁法等による排水規制、下水道の整備、生活排水対策などの施策が講じられている。
  • 生活排水を処理するための施設として、下水道のほかに、浄化槽、農業集落排水施設、コミュニティ・プラント等の汚水処理施設の整備が進められている。

問題10の解答

正解は「2」です。

問題10の解説

選択肢2では、「約半数の都道府県において上乗せ排水基準が設定されている」としていますが、これは現状の実態と異なります。水質汚濁防止法第3条第3項に基づき、都道府県は国の「一律排水基準」では環境基準の達成が不十分な区域において、条例でより厳しい基準(上乗せ排水基準)を定めることができます。環境省の調査(平成30年度等の施行状況)によると、47都道府県すべて(つまり全都道府県)において、上乗せ排水基準が設定されています。「約半数」ではありません。

日本全国、どの地域にも固有の水質保全のニーズ(清流を守りたい、湖の汚れを防ぎたい等)があるため、すべての都道府県が国よりも厳しい独自のルールを持っています。

  • 1. 正しい記述です(環境基準の2本柱)
    • 公共用水域の環境基準は、カドミウムやシアンなどの「人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)」と、BODやCODなどの「生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)」の2つから成り立っています。
  • 3. 正しい記述です(閉鎖性水域の規制)
    • 水が入れ替わりにくい湖沼や海域(閉鎖性水域)では、プランクトンが異常増殖する「富栄養化」が問題になります。
    • これを防ぐため、有機汚濁の指標であるCODに加え、栄養分となる窒素(N)、りん(P)に対しても排水規制が実施されています(指定湖沼など)。
  • 4. 正しい記述です(水質保全の3本柱)
    • 水質を良くするためには、工場からの排水を止める「規制」だけでなく、汚水を処理する「下水道整備」、そして家庭からの排水を減らす「生活排水対策」の3つを総合的に行う必要があります。
  • 5. 正しい記述です(汚水処理施設の種類)
    • 日本の汚水処理システムは、都市部の「下水道」だけでなく、農村部の「農業集落排水施設」、団地などの「コミュニティ・プラント」、そして個別の家屋に設置される「合併処理浄化槽」**など、地域の特性に合わせた施設整備が進められています。

問題を解くポイント

この問題の核心は、「上乗せ排水基準(条例)」の普及度を知っているかどうかです。

  1. 「上乗せ基準」は全国どこにでもある
    • 「半分くらいかな?」という曖昧なイメージを捨ててください。「すべての都道府県にある」が正解です。
    • 公害防止管理者として赴任する工場がどこであっても、「国の基準だけ守ればいい」とは限らない、と肝に銘じておく必要があります。
  2. 湖沼=COD・窒素・りん
    • 湖沼の問題が出たら、この3点セット(富栄養化対策)を反射的に思い出せるようにしましょう。
  3. 環境基準=健康+生活環境
    • 「健康」は全国一律の基準、「生活環境(BOD等)」は川や海ごとの類型当てはめ(ランク付け)がある、という違いも重要です。
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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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