
公害防止管理者の過去問|令和7年 ばいじん・粉じん特論 問11 問題と解説
問題11
石綿(アスベスト)の一種であるクリソタイルに関する記述中、ア~ウの( )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。
クリソタイルは主にけい素及び( ア )からなる層状けい酸塩で、アモサイトやクロシドライトより密度が( イ )、耐酸性が( ウ )いる。
| 選択肢 | ア | イ | ウ |
|---|---|---|---|
| 1 | 鉄 | 高く | 劣って |
| 2 | 鉄 | 低く | 劣って |
| 3 | 鉄 | 低く | 優れて |
| 4 | マグネシウム | 低く | 劣って |
| 5 | マグネシウム | 高く | 優れて |
問題11の解答
正解は「4」です。
問題11の解説
解答に至るまでのステップ
- (ア)=「主成分元素」から判断する
クリソタイル(白石綿)は、蛇紋石(サーペンティン)系の石綿で、化学的には 水和けい酸マグネシウムとして扱われます。代表的な組成式は Mg₃Si₂O₅(OH)₄ で、主に けい素(Si) と マグネシウム(Mg) から成るため、
→(ア)は マグネシウム。 - (イ)=「密度(比重)」を比較して判断する
比較対象のアモサイト・クロシドライトは角閃石(アムフィボール)系で、一般に鉄などを多く含み、構造的にも“詰まった”鉱物になりやすく 比重が高めです。一方、クリソタイルは蛇紋石系で 比重が小さめです。
典型値としては、- クリソタイル:およそ 2.4~2.6
- アモサイト:およそ 3.1前後
- クロシドライト:およそ 3.2前後
というイメージで、
→ クリソタイルの密度は 低い。
よって(イ)は 低く。
- (ウ)=「耐酸性」を比較して判断する
クリソタイル(蛇紋石系)は 酸により成分が溶けやすく、劣化しやすい(耐酸性が弱い)ことで知られます。これに対して、アモサイト・クロシドライト(角閃石系)は構造的に安定で、一般に 酸に対して相対的に強い傾向があります。したがって、
→ クリソタイルはアモサイトやクロシドライトより 耐酸性が劣っている。よって(ウ)は 劣って。
以上より、(ア)マグネシウム、(イ)低く、(ウ)劣って の組合せを選び、④が正解になります。
問題のポイント
- クリソタイル(白石綿)=蛇紋石系=“Mg(マグネシウム)主体”
→ 組成で(ア)を確定しやすい。 - 密度(比重)は「クリソタイル<アモサイト・クロシドライト」
→ 角閃石系(アモサイト/クロシドライト)は比重が高め、蛇紋石系(クリソタイル)は低め。 - 耐酸性は「クリソタイルは酸に弱い」
→ 試験では「酸に弱い=耐酸性が劣る」をセットで覚えると、(ウ)で迷いにくい。


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