公害防止管理者の過去問|令和4年 ばいじん・粉じん特論 問9  問題と解説

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問題9

常用耐熱温度が200℃以上であり、耐酸性、耐アルカリ性ともに優れている織布用ろ布材はどれか。

  1. 木綿
  2. パイレン
  3. ナイロン
  4. ポリエステル
  5. ガラス繊維

問題9の解答

正解は「5」です。

問題9の解説

解答に至るまでのステップ

ステップ1: 選択肢の各繊維素材の特性を整理します。

木綿(コットン): 有機繊維で耐熱性はせいぜい100℃前後までです。200℃以上の常用には耐えられず、また酸やアルカリにも強くありません。

パイレン(パイロン): 「パイレン」という名称の繊維は一般的ではありませんが、おそらくポリプロピレン系ビニロン系繊維の商品名と推察されます。ポリプロピレン繊維なら耐熱はせいぜい90℃程度、ビニロンでも150℃程度です。いずれにせよ200℃以上には不向きですし、耐酸耐アルカリも限定的です。

ナイロン: 合成樹脂繊維(ポリアミド)で、軟化点が約170℃、連続使用温度は100~120℃が限度です。また強アルカリに弱く加水分解のおそれがあります。

ポリエステル: 一般的なポリエステル(PET繊維)の連続耐熱温度は130℃程度です。また高温多湿下では加水分解しやすく、強アルカリにも弱いです。

ガラス繊維: 無機繊維で耐熱性に非常に優れ、常用で250℃程度、瞬間なら280℃程度まで耐えます。酸にも比較的強く、アルカリにも有機繊維より耐性があります(ただし強アルカリはガラスを浸食します)。

ステップ2: 条件と照合します。

「常用耐熱温度が200℃以上」かつ「耐酸性、耐アルカリ性ともに優れている」ものを探します。上記より、200℃以上に耐えるのはガラス繊維(250℃)のみです。耐酸・耐アルカリ性もガラス繊維は優れています(酸には◎、アルカリには△~○程度ですが、他の有機繊維に比べれば良好)。よってガラス繊維が該当します。

問題を解くポイント

(1) 耐熱性で候補を絞る: ろ布素材で200℃以上に耐えるものは限られています。代表例はアラミド(ノーメックス)**約200℃、PPS約170℃、ポリイミド(P84)約240℃、PTFE(テフロン)約250℃、ガラス繊維約250℃です。選択肢にある中ではガラス繊維だけが該当範囲です。

(2) 耐酸・耐アルカリ性: 化学的耐性も考慮します。ガラス繊維はフッ酸や濃アルカリ以外には比較的安定で、耐薬品性が高い部類です。有機系繊維(ポリエステル、ナイロン等)は高温下で酸やアルカリで分解しやすいものが多く、200℃環境ではなおさら安定しません。よってこの観点からもガラス繊維が最適といえます。

(3) 実用例: ガラス繊維製の織布ろ布は、高温高腐食性ガス(例えばゴミ焼却炉の排ガス)用のバグフィルターで実績があります。このような用途例を知っていると、本問の条件から自然とガラス繊維が思い浮かぶでしょう。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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