公害防止管理者試験の過去問|公害総論:環境関連法規に関する問題⑯

公害防止管理者試験の過去問|公害総論:環境関連法規に関する問題⑯
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問題16

次の法律とその法律の定義に規定されている用語の組合せとして、誤っているものはどれか。

法律用語
大気汚染防止法揮発性有機化合物排出施設
悪臭防止法臭気指数
騒音規制法特定建設作業
水質汚濁防止法指定地域特定施設
ダイオキシン類対策特別措置法耐容一日摂取量適用事業場

(令和3年)

問題16の解答

正解は「5」です。

問題16の解説

設問は,各法律の「定義」に実在する用語との正しい組合せを問うものです。条文・公的解説で一つずつ確認します。

1. 大気汚染防止法 — 揮発性有機化合物排出施設正しい

大防法では,VOC(揮発性有機化合物)を排出する一定規模以上の施設を「揮発性有機化合物排出施設」として政令等で定め,規制対象とします。環境省や自治体の解説でもこの用語が明記されています。

2. 悪臭防止法 — 臭気指数正しい

悪臭防止法の定義条文に「臭気指数」が規定され,嗅覚測定法に基づく値として用いられます。

3. 騒音規制法 — 特定建設作業正しい

騒音規制法(および振動規制法)では,政令で定める著しい騒音・振動を伴う建設作業を「特定建設作業」と定義しています。

4. 水質汚濁防止法 — 指定地域特定施設正しい

水濁法第2条に「指定地域特定施設」が定義されています(指定水域・指定地域における施設)。自治体資料でも用語が整理されています。

5. ダイオキシン類対策特別措置法 — 耐容一日摂取量適用事業場

誤りです。ダイオキシン法は,環境基準や排出基準,施設規制等を定めますが,「耐容一日摂取量(TDI)」は施策の指標であり,法の定義用語として「TDI適用事業場」等は存在しません。公的資料でもTDIは健康指標として説明されるのみで,法定の施設区分名ではありません。

問題を解くポイント

1.「定義」条文を意識

  • 大防法:揮発性有機化合物排出施設(VOC規制)
  • 悪臭防止法:臭気指数(嗅覚測定)
  • 騒音規制法:特定建設作業(政令列挙作業)
  • 水濁法:指定地域特定施設(第2条の定義)

2.“指標”と“法定用語”の区別

  • TDI(耐容一日摂取量)は健康リスク評価の指標
  • 法の定義に現れる施設名(例:特定施設,指定地域特定施設 など)とは別物。ここを取り違えない。

3.言い換え・造語のひっかけ

  • 実在語に「適用」「事業場」等を付け足した存在しない用語が定番。条文にそのまま載っている語かどうかで判断する癖をつける。
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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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