公害防止管理者試験の過去問|公害総論:環境問題全般に関する問題①

公害防止管理者試験の過去問|公害総論:環境問題全般に関する問題①
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問題1

我が国で発生した公害とその主たる原因物質の組合せとして、誤っているものはどれか。

選択肢公害主たる原因
四日市ぜん息硫黄酸化物
水俣病メチル水銀
イタイイタイ病カドミウム
新潟水俣病メチル水銀
足尾鉱毒メチル水銀

(令和6年)

問題1の解答

正解は「5」です。

問題1の解説

設問は、日本の代表的公害と主たる原因物質の正しい対応関係を問う定番問題です。4つは正しく、1つだけ不適切です。

  • 四日市ぜん息 — 硫黄酸化物(SO₂など)正しい
    1960年代の四日市コンビナート由来の硫黄酸化物(SOₓ)が高濃度で大気汚染を引き起こし、気管支ぜん息・呼吸器障害が多発。
  • 水俣病 — メチル水銀正しい
    熊本県水俣湾で、メチル水銀に汚染された魚介類の摂取により中枢神経障害が発生。
  • イタイイタイ病 — カドミウム正しい
    富山県神通川流域で、カドミウムに汚染された米の長期摂取が原因。腎障害・骨軟化症(激しい骨痛)が特徴。
  • 新潟水俣病 — メチル水銀正しい
    阿賀野川流域で発生。こちらもメチル水銀による魚介類経由の有機水銀中毒
  • 足尾鉱毒 — メチル水銀不適切な組合せ
    誤り。 足尾鉱毒事件は栃木・足尾銅山の坑廃水に含まれる銅など重金属が渡良瀬川流域を汚染し、農作物被害・魚介類被害をもたらした事例。さらに製錬のSO₂による林野被害も問題化。主因はメチル水銀ではない

結論として、誤っているのは 5 です。

問題を解くポイント

  1. 四大公害病の“鉄板対応”を丸暗記
    • 四日市ぜん息=硫黄酸化物
    • 水俣病=メチル水銀
    • 新潟水俣病=メチル水銀
    • イタイイタイ病=カドミウム
  2. 足尾鉱毒だけは銅汚染
    水俣=水銀、と結びつける癖からの取り違えが頻出。足尾=銅汚染(+SO₂による林野被害)とセットで覚える。
  3. 媒体と症状を紐づける
    • 大気汚染 → SO₂ → 呼吸器
    • 水域・食物連鎖 → メチル水銀 → 神経症状
    • 農地・食物 → カドミウム → 腎・骨
    • 河川(鉱山) → 銅
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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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