
公害防止管理者の過去問|令和7年 公害総論 問7 問題と解説

目次
問題7
次の3つの温室効果ガスについて、2022(令和4)年度の我が国の温室効果ガス排出量(CO2換算排出量)を多い順に並べたとき、正しいものはどれか(環境省:令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書による)。
SF6:六ふっ化硫黄、NF3:三ふっ化窒素、PFCs:パーフルオロカーボン類
- SF6 > NF3 > PFCs
- SF6 > PFCs > NF3
- PFCs > NF3 > SF6
- PFCs > SF6 > NF3
- NF3 > PFCs > SF6
問題7の答え
正解は「4」です。
問題7の解説
① まずは元データを確認する
問題文の出典は、環境省「令和6年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」の温室効果ガス排出量の部分です。この白書の基になっている「2022年度 温室効果ガス排出・吸収量(詳細)」資料には、各ガスの排出量(CO₂換算)が次のようにまとめられています。
2022年度(令和4年度)の排出量(単位:百万トン CO₂換算):
- パーフルオロカーボン類(PFCs):3.0 百万トン
- 六ふっ化硫黄(SF₆):2.1 百万トン
- 三ふっ化窒素(NF₃):0.3 百万トン
この3つを多い順(大きい順)に並べると
3.0 > 2.1 > 0.3
となるので、
PFCs > SF₆ > NF₃
という順番になります。したがって、選択肢の中では 4 が正しいことが分かります。
② 各ガスのイメージと桁の大きさ
数字そのものを覚えるのが大変でも、おおよその「大きさの順」を押さえておくと解きやすくなります。
- PFCs(パーフルオロカーボン類)
- 半導体、アルミ精錬などで使用されるガス。
- 代替フロン等4ガスの中では、HFCsに次ぐ規模。
- 日本全体で 数百万トンオーダー(2022年で約3.0百万トン)。
- SF₆(六ふっ化硫黄)
- 電気絶縁ガス、粒子加速器などで使用。
- 2022年排出量 約2.1百万トンと、PFCsより少し小さい。
- NF₃(三ふっ化窒素)
- 半導体・液晶製造で主に使われるガス。
- 排出抑制が進み、2022年は 0.3百万トンと、上の2つよりかなり小さい。
このため、代替フロン等4ガスの中での規模感としては「HFCs(ダントツ) > PFCs > SF₆ > NF₃」という「階段」になっている、とイメージしておくと良いです。
③ 問題を解くポイント・覚え方
ポイント1:細かい値よりも「大小関係」を覚える
本試験で全桁を暗記しておく必要はありません。
次のような相対関係だけでも押さえておくと十分戦えます。
- 代替フロン等4ガスの排出量:
HFCs > PFCs > SF₆ > NF₃(日本全体のCO₂換算排出量)
この順位さえ頭に入っていれば、今回のような「3つだけ切り出した問題」は一発で答えられます。
ポイント2:ガスの用途と「大きさ」をセット
- PFCs:半導体・アルミ等で広く使用 ⇒ Fガスの中ではそこそこ多い
- SF₆:電力インフラ、特殊装置 ⇒ PFCsより少し小さい
- NF₃:半導体向けだが対策が進み、かなり抑えられている ⇒ 一番小さい
と、用途のイメージと排出規模をセットで覚えると、記憶に残りやすくなります。
まとめ
- 環境白書等のデータでは、2022年度の排出量(CO₂換算)は
- PFCs:約 3.0 百万トン
- SF₆:約 2.1 百万トン
- NF₃:約 0.3 百万トン
- よって、多い順はPFCs > SF₆ > NF₃
- 選択肢では 4 がこれに対応するため、正解は4 となります。


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