公害防止管理者の過去問|令和6年 公害総論 問15 問題と解説

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問題15

新設の事業として実施する場合に、環境影響評価法に基づく環境アセスメントの手続きを必ず実施しなければならない第一種事業として、誤っているものはどれか。

  1. 首都高速道路(4車線以上のもの)
  2. 新幹線鉄道(すべて)
  3. 廃棄物最終処分場(すべて)
  4. 風力発電所(出力5万kW以上)
  5. 飛行場(滑走路長2500m以上)

問題15の解答

正解は「3」です。

問題15の解説

本問は「環境影響評価法(環境アセス法)における第一種事業(必ず環境アセスを行う事業)」について正しく理解しているかを問う問題です。第一種事業とは、規模が大きく環境影響のおそれが特に大きいと国が定めた事業であり、法律により必ず環境影響評価が必要となるものです。

では、選択肢を一つずつ確認しましょう。

① 首都高速道路(4車線以上のもの) → 正しい(第一種事業)

環境影響評価法 別表第一の道路事業には、自動車専用道路で4車線以上の新設が第一種事業として規定されています。首都高速道路は自動車専用道路であり、4車線以上であれば第一種事業に該当し、必ずアセスが必要です。

② 新幹線鉄道(すべて) → 正しい(第一種事業)

鉄道事業では、新幹線鉄道の新設はすべて第一種事業と定められています。規模による区別はなく、新幹線なら必ずアセス対象です。

③ 廃棄物最終処分場(すべて) → 誤り

ここが誤りです。廃棄物最終処分場でもすべてが第一種事業ではありません。

環境影響評価法では、

  • 埋立面積30ha以上(又は容量200万m³以上)が第一種事業
  • それ未満は第二種事業(条件によりアセスが必要になる場合あり)

となっています。

したがって、「廃棄物最終処分場(すべて)」が 誤りなのです。規模に関係なく、“すべて”第一種とする記述は不正確です。

④ 風力発電所(出力5万kW以上) → 正しい(第一種事業)

風力発電事業では、次のとおり規定されています。

  • 総出力5万kW以上 が第一種事業
  • 3万kW以上5万kW未満 が第二種事業(状況によってアセス必要)

したがって「5万kW以上」は第一種で正しいです。

⑤ 飛行場(滑走路長2500m以上) → 正しい(第一種事業)

飛行場事業では、以下の要件が定められています。

  • 滑走路長2500m以上の新設は第一種事業
  • 1500〜2500m未満は第二種事業

「2500m以上」は第一種で正しいです。

選択肢内容第一種事業?判定
14車線以上の高速道路必ず第一種
2新幹線鉄道必ず第一種
3廃棄物最終処分場規模で判定×(誤り)
4風力発電 5万kW以上必ず第一種
5飛行場 滑走路2500m以上必ず第一種

問題を解くポイント

ポイント1:第一種事業は「規模で決まる」ものが多い

  • 道路(4車線以上)
  • 飛行場(滑走路2500m以上)
  • 廃棄物最終処分場(30ha以上/200万m³以上)
  • 風力発電(5万kW以上)

規模に満たないものは第二種事業→状況によりアセスが必要。

ポイント2:「すべて第一種」は“新幹線鉄道”のみ

鉄道で完全に第一種なのは 新幹線だけ。廃棄物最終処分場や風力は必ずしも“すべて”ではない。

ポイント3:ひっかけは「すべて」「必ず」に注意

今回の選択肢3のように、「すべて」と書いてあるものは特に注意してチェックしましょう。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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