
公害防止管理者の過去問|令和4年 大気・水質概論 問6 問題と解説
問題6
大気汚染物質の発生源に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 2017(平成 29)年度実績における,施設種別の固定発生源からの窒素酸化物排出量は,ボイラーが最も多い。
(2) 2017(平成 29)年度実績における,施設種別の固定発生源からのばいじん排出量は,ボイラーが最も多い。
(3) 2017(平成 29)年度実績における,業種別の固定発生源からの硫黄酸化物排出量は,電気業が最も多い。
(4) 2019(令和 元)年度実績における,種類別の一般粉じん発生施設数は,コンベアが最も多い。
(5) 2019(令和 元)年度実績における,種類別の水銀排出施設数は,石炭燃焼ボイラーが最も多い。
問題6の解答
正解は「4」です。
問題6の解説
解答に至るまでのステップ
- 固定発生源からの大気汚染物質排出量(施設種別・平成29年度実績) – 環境省の大気汚染物質排出量総合調査(平成29年度=2017年度実績)によれば、固定発生源における主要汚染物質の排出では施設種別で「ボイラー」からの排出が最も多い結果となっています。具体的には:
- 硫黄酸化物(SOx):施設種別1位はボイラー。
- 窒素酸化物(NOx):施設種別1位はボイラー。
- ばいじん(粉じん):施設種別1位はボイラー。
したがって、(1)「NOx排出量はボイラーが最も多い」および(2)「ばいじん排出量もボイラーが最も多い」はどちらも真実であり正しい記述です。
- 固定発生源からの大気汚染物質排出量(業種別・平成29年度実績) – 同調査によれば、業種別では以下のとおりです。
- SOx排出量:電気業(火力発電等)が全体の約41%で第1位。鉄鋼業が第2位。
- NOx排出量:電気業が約32%で第1位。第2位は窯業・土石製品製造業、第3位鉄鋼業。
- ばいじん排出量:電気業が約15%で第1位。第2位鉄鋼業、第3位パルプ・紙製造業。
よって(3)「SOxの業種別排出量は電気業が最も多い」は正しく、他の汚染物質についても電気業が1位です。
- 一般粉じん発生施設数の種類別内訳(令和元年度実績=2019年度) – 令和元年度末時点の全国の一般粉じん発生施設数を見ると、「コンベア」(ベルトコンベア・バケットコンベア)が最も多く全体の約57.5%を占めます。次いで「堆積場」が約19.1%。したがって(4)「種類別でコンベアが最も多い」は正しい記述です。
- 水銀排出施設数の種類別内訳(平成31年度末=2019年度) – 大気汚染防止法の水銀排出規制対象施設の内訳では、「廃棄物焼却炉」が圧倒的に多く全体の約89.2%を占め、第2位が「石炭燃焼ボイラー」で約3.4%に過ぎません。つまり、水銀排出施設の数は焼却炉が最多です。(5)「石炭燃焼ボイラーが最も多い」は事実と逆であり、誤った記述です。
以上より誤っているのは(5)です。
問題のポイント
各種統計データを横断的に問う問題です。固定発生源の汚染物質排出では「施設種別1位=ボイラー」「業種別1位=電気業」というパターンが見られます。
一方、特定施設数の統計では、一般粉じん発生施設はコンベア類が大半を占め、水銀排出施設は廃棄物焼却炉が大部分を占めるという特徴があります。
本問では(5)がこの特徴に反する記述であるため、統計知識に基づき見抜けます。環境統計の「最大の要因・分類は何か」を整理して覚えることがポイントです。


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