公害防止管理者の過去問|令和3年 ダイオキシン類概論 問1 問題と解説

公害防止管理者の過去問|令和3年 ダイオキシン類概論 問1 問題と解説
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問題1

ダイオキシン類による大気の汚染,水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準の基準値等の組合せとして,誤っているものはどれか。 

(媒 体) − (基準値等) 

  • 大気 − 0.6 pg‒TEQ/m3 以下 
  • 水質(水底の底質を除く。) − 1 pg‒TEQ/L 以下 
  • 水底の底質 − 150 pg‒TEQ/g 以下 
  • 土壌 − 100 pg‒TEQ/g 以下 
  • 大気及び水質(水底の底質を除く。) − 基準値は年間平均値

問題1の解答

正解は「4」です。

問題1の解説

この問題は、ダイオキシン類に係る環境基準値について正確に把握しているかどうかを問うものです。
環境基準は環境基本法に基づき、人の健康の保護と生活環境の保全を目的として定められています。

⑴ 大気 − 0.6 pg-TEQ/m³ 以下

正しい
環境省によると、大気のダイオキシン類環境基準は、年間平均で0.6 pg-TEQ/m³以下です。
【出典】 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準

⑵ 水質(水底の底質を除く)− 1 pg-TEQ/L 以下

正しい
水質についても、年間平均で1 pg-TEQ/L以下が基準です。これも環境省の定める公式基準に合致しています。
【出典】 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準

⑶ 水底の底質 − 150 pg-TEQ/g 以下

正しい
水底の底質は150 pg-TEQ/g(乾燥重量)以下です。これはしばしば誤って記憶されることがあるので注意が必要です。
【出典】 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準

⑷ 土壌 − 100 pg-TEQ/g 以下

誤り(正解)
正しくは、1000 pg-TEQ/g(乾燥重量)以下です。100 pgという記述は基準値の1/10であり、誤りです。
【出典】 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準

⑸ 大気および水質 − 基準値は年間平均値

正しい
大気および水質(底質を除く)は、どちらも年間平均値で評価することが定められています。
【出典】 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準

問題を解くポイント

  • 環境基準は媒体ごとに異なる単位と値が定められている。
  • 大気と水質は年間平均値で評価される。
  • 特に土壌と水底の底質の単位(pg-TEQ/g)と桁数の間違いに注意

ダイオキシン類は、焼却施設や工場などから排出される微量な化学物質で、強い毒性と長期残留性を持つため、大気・水・土壌の3つの環境媒体それぞれに対して基準が設けられています。

  • 大気・水質は「人の健康保護」が主目的
  • 水底の底質・土壌は「生活環境の保全」を主目的としています。

土壌の基準値:1000 pg-TEQ/gは、農地や生活環境への長期的な悪影響を防ぐために設けられた値であり、100 pgでは基準値を過剰に厳しくしてしまいます。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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