公害防止管理者の過去問|令和3年 水質概論 問1 問題と解説

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問題1

地下水の水質汚濁に係る環境基準に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

地下水の水質の測定の実施は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、地下水の(1)流動状況等を勘案して、当該項目に係る地下水の水質汚濁の状況を(2)的確に把握できると認められる場所において行うものとする。

環境基準は、設定後(3)直ちに達成され(4)維持されるように努めるものとする(ただし、汚染が専ら(5)特定の汚染源によることが明らかであると認められる場合を除く。)。

問題1の解答

正解は「5」です。

問題1の解説

この問題は、平成9年環境庁告示第10号「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」の条文知識を問うものです。結論から申し上げますと、(5)の「特定の汚染源」という記述が誤りです。正しくは「自然的原因」となります。

「環境基準は、設定後直ちに達成され、維持されるように努めるものとする(ただし、汚染が専ら自然的原因によることが明らかであると認められる場合を除く。)。」

なぜ「自然的原因」が除外されるのか?

環境基準とは、人の健康を保護するために維持されることが望ましい基準です。通常、工場や事業場からの排水など、人為的な汚染であれば、規制を強化して基準を達成するように努力しなければなりません。もし問題文のように「特定の汚染源(=工場など)」を除外してしまったら、公害防止の法律としての意味がなくなってしまいますね

しかし、地下水の場合、地質的な要因(火山の近くや鉱脈など)によって、もともとヒ素やフッ素などの重金属等が含まれていることがあります。これは「自然由来(自然的原因)」であり、人の手で「直ちに達成・維持」することが極めて困難、あるいは不可能です。そのため、環境基準の「達成努力義務」の対象からは除外されているのです。

その他の選択肢の確認

  • (1) 流動状況 / (2) 的確に把握
    • 地下水は地層の中をゆっくり動いています。汚染の状況を知るには、水がどう流れているか(流動状況)を考えた上で、最も代表的な場所(的確に把握できる場所)で測る必要があります。これは条文通りで正しい記述です。
  • (3) 直ちに達成 / (4) 維持
    • 環境基準は行政上の目標ですから、設定されたら「すぐに(直ちに)」達成し、それをキープ(維持)するように努めるのが原則です。これも条文通りで正しい記述です。

問題を解くポイント

この手の問題で迷ったら、法の目的(人の健康保護)」と「実現可能性」を天秤にかけて考えてみましょう。

  1. 「特定の汚染源」を除外?
    • → 工場が汚染源なら、そこを規制すべき。除外するのはおかしい。(×)
  2. 「自然的原因」を除外?
    • → 地質由来の成分は、人間の努力ではどうにもならない場合がある。努力目標から外すのは合理的。(○)
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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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