
公害防止管理者の過去問|令和5年 公害総論 問13 問題と解説

問題13
2019(令和元)年度における産業廃棄物に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 産業廃棄物の総排出量は約3億8600万tで、前年度に比べて700万tほど増加した。
- 排出量が多い3業種は、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「建設業」、「パルプ・紙・紙加工品製造業」であった。
- 汚泥、動物のふん尿、がれき類の排出量合計は、全排出量の約8割であった。
- 再生利用率が高い廃棄物は、がれき類、金属くず、動物のふん尿などであった。
- 最終処分の比率が最も高い廃棄物は、燃え殻であった。
問題13の解答
正解は「2」です。
問題13の解説
以下、環境省公表値に基づき、各選択肢を検証します。
◆選択肢1
産業廃棄物の総排出量は約3億8600万tで、前年度に比べて700万tほど増加した。
●根拠(環境省データ)
環境省「令和元年度 産業廃棄物排出・処理状況」(https://www.env.go.jp/recycle/waste/sangyo/index.html)
令和元年度の総排出量:約3億8,633万トン
前年度(平成30年度):約3億7,897万トン
→ 増加量:約736万トン
記述どおり 約3億8600万tで +700万t増は正しい。
◆選択肢2(誤り=正解)
排出量が多い3業種は、「電気・ガス・熱供給・水道業」「建設業」「パルプ・紙・紙加工品製造業」であった。
●根拠(環境省データ)令和元年度 業種別排出量(上位順)
(環境省公表表より)
1位:電気・ガス・熱供給・水道業
2位:農業・林業
3位:建設業
4位:パルプ・紙・紙加工品製造業
第2位は 「農業・林業」 が正しい。選択肢では上位3業種に「農業・林業」が含まれておらず、代わりに「パルプ・紙・紙加工品製造業」を入れてしまっている。これは事実と異なるため誤り。
◆選択肢3
汚泥、動物のふん尿、がれき類の排出量合計は、全排出量の約8割であった。
●根拠(環境省データ):令和元年度 種類別排出量(%)
- 汚泥:42.1%
- 動物のふん尿:21.4%
- がれき類:16.9%
合計:42.1 + 21.4 + 16.9 = 80.4%
約 8 割で記述どおり。
◆選択肢4
再生利用率が高い廃棄物は、がれき類、金属くず、動物のふん尿などであった。
●根拠(環境省データ):令和元年度 再生利用率(高い順)
- がれき類:96%以上
- 金属くず:95%以上
- 動物のふん尿:95%以上
いずれも再生利用率が非常に高く、記述は正しい。
◆選択肢5
最終処分の比率が最も高い廃棄物は、燃え殻であった。
●根拠
令和元年度 廃棄物の最終処分率(主な品目)
燃え殻:14.9%(最も高い)
廃プラ:約9%
汚泥:約5%
金属くず:0.2% など
→ 燃え殻が最終処分率トップ で正しい。
問題を解くポイント
- ポイント1:業種別排出量は「電気ガス」「農業林業」「建設業」の3強年度をまたいでも、この並びは頻出で覚えやすい。
- ポイント2:種類別排出量は「汚泥+ふん尿+がれき」で 8 割
試験では毎年問われる超重要数字。 - ポイント3:最終処分率が最も高いのは「燃え殻」
この一点はほぼ変わらないので確実に覚える。 - ポイント4:再生利用率トップは「がれき・金属・ふん尿」
こちらも固定的に問われる。


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