公害防止管理者は何ができる?業務上の役割と注意点を解説!

公害防止管理者は何ができる?業務上の役割と注意点を解説!
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公害防止管理者を目指すにあたって、「資格取得後にできることを知っておきたい」という人たちもいるはずです。特に、業務で果たすべき役割を踏まえておくことで、仕事に結びつけるイメージを浮かべやすくなるはずです。

この記事では、「公害防止管理者は何ができる?」という疑問について考察しています。そして、業務上の役割と公害防止管理者として実務に携わるときの注意点にも触れているので、公害防止管理者に興味のある方は参考にしてみてください。

目次

公害防止管理者は何ができる?

公害防止管理者は、法律に定められた基準に該当する特定工場に常駐し、大気や水質、振動や騒音などの領域において専門的な検査や管理を行うことで公害を未然に防止する責務を負っています。ここでは、具体的な業務を3つの視点から説明していきます。

その1:汚染物質の検査・測定と記録

はじめに、公害防止管理者はまず、工場内で発生する汚染物質を継続的に監視します

専門分野に応じて原材料や燃料の成分を検査し、工場から排出される煙や汚水などの濃度を測定・記録することが主な仕事です。例えば、大気関係の資格を持つ場合は工場の煙突から出るばい煙の濃度測定、水質関係なら排水中の汚染物質濃度の検査を担当します。

こうしたデータを正確に記録して管理することで、排出基準を超える異常がないか常時チェックし、公害の兆候を早期に発見できるわけです。

その2:公害防止設備の操作・点検・整備

続いて、公害防止管理者は工場内の公害防止設備を適切に運用・維持します

ほぼ全ての特定工場には、排ガス処理設備や排水処理施設などの有害物質の排出を抑える装置が組み込まれており、その正常稼働を確保することも重要な任務です。

設備の故障や劣化によって有害な排出物が外部に漏れ出すリスクを防ぐため、公害防止管理者が定期的に装置の点検・整備を行います。必要に応じて部品交換や調整を実施し、設備機能を常に万全に保つことで公害の発生を未然に防止できます。

その3:従業員への環境教育と周辺への周知

最後に、公害防止管理者は人を通じた公害予防にも取り組みます

工場で働く従業員に対して、環境保全や公害防止のルールについて定期的に教育・訓練を行うことも業務の一環です。とりわけ、有害物質を扱う部署のスタッフには、公害防止の手順や注意事項を周知徹底させる必要があります。

公害防止管理者は社内研修やマニュアル作成を通じて従業員の環境意識を高め、全員で公害防止に取り組める体制を築きます。自治体の条例にもよりますが、工場周辺の住民に対して公害防止の取り組み状況を説明・情報提供する役割を求められる場合もあります。

地域社会への丁寧な説明は、信頼関係を保ち公害への不安を和らげる上でも大切です。

公害防止管理者の業務上の役割

公害防止管理者が追っている業務上の中心的な役割は、工場内で環境コンプライアンスを担保することにあります。法令で定められた資格者として選任されることで、その工場における公害防止について職務上の責任と権限が与えられます。

具体的には、工場長など経営層の下で公害防止計画の策定や環境管理の方針徹底に貢献し、必要に応じて生産現場に対し汚染防止の指示を出す立場です。

公害防止管理者制度の目的が「企業内に公害防止体制を整備すること」にあるように、資格を持つ管理者が現場で指揮を執ることで公害対策が机上の空論にならず実効性を持ちます。具体的には以下の図にあるような体制を構築して、自発的な取組み体制を徹底する旗振り役として活動する責務があるわけです。

公害防止組織の体制

また、公害防止管理者は行政機関への窓口としての役割も期待されています。工場への立入検査や報告指示があった際に対応したり、日常的に自治体へ環境データを提出したりする場面で、専門知識を持つ担当者として応対します。

公害防止管理者は企業内外の橋渡し役となり、法令順守と公害防止の実務を統括する存在です。

公害防止管理者として働くときの注意点

ただし、公害防止管理者として実務に携わる際には、以下の3点に注意することが重要です。資格取得前に心に留めておきたいポイントを順に解説します。

注意1:法規制の遵守と責任の重さ

公害防止管理者は法令順守の最前線に立つため、その責任は非常に重くなります。 担当工場が環境基準に違反した場合、都道府県知事から公害防止管理者の解任を命じられることがあります。

排水が基準を超えて汚染していれば、工場の操業停止や設備改善命令が下りるだけでなく、管理者に対しても交代命令や罰則が科される可能性もあるのです。

このように法的な責務を負う立場であるため、日頃から環境関連法規の最新動向を把握し、基準超過や届出漏れ等の違反が起きないよう注意深く業務を遂行する必要があります。

データ改ざんや報告遅れなどの不正・ミスが発覚すれば企業の信用失墜にも直結するため、職務は誠実かつ厳正に行わなければなりません。

注意2:継続的な専門知識のアップデート

環境問題や規制の内容は時代とともに変化するため、公害防止管理者は常に学び続ける姿勢が求められます。 近年は有害化学物質の規制強化、温暖化対策、廃棄物管理など、公害防止管理者を取り巻く課題が多様化しています。

そのため、資格取得後も関連する法改正情報や新しい公害防止技術の動向をウォッチし、自らの専門知識をアップデートし続けることが大切です。実際、事業者アンケートでも「公害防止管理者には環境マネジメントシステム(EMS)の構築など幅広い知識・役割が期待されている」と指摘されています。

公害防止管理者として信頼されるには、単に現在の法定業務をこなすだけでなく、将来を見据えて最新の環境対応策を提案できるよう努めましょう。必要に応じて公的機関や業界団体のセミナーに参加したり、上位資格・関連資格の取得を目指したりするのも有効です。

注意3:緊急時対応と社内外との連携

万が一環境事故や異常事態が発生した際には、迅速かつ的確な対応が求められます。 公害防止管理者は平常時だけでなく非常時の対策責任者でもあります。

工場で有害物質の漏洩事故や公害苦情が起きた場合、ただちに工場長や本社に報告するとともに、自治体・警察・消防など関係機関へ連絡して協力を仰ぎます。

例えば、有害な排水が外部に流出したおそれがあれば、成分や拡散状況を速やかに当局へ伝え、住民避難や封じ込め策の判断に寄与しなければなりません。平時から緊急時対応マニュアルを整備し、定期的に模擬訓練を実施しておくことが重要です。

また、社内では日頃から生産部門や保全部門と綿密に連携し、設備異常の早期発見・是正に努めます。外部とのコミュニケーションにおいても、公害防止管理者は専門知識を持つ窓口役として振る舞う必要があります。地域住民の不安や疑問の声には真摯に耳を傾け、平易な言葉で工場の環境対策を説明するなど、誠実な情報開示と対話を心掛けましょう。

もっと優遇されるべき資格

公害防止管理者は工場内の公害を防止するために欠かせない存在です

資格を取得すると、汚染物質の測定管理から公害防止設備の維持、従業員教育や緊急時対応まで幅広い業務に携わることができます。法令で義務付けられたポジションである以上、責任は重いですが、その分だけやりがいも大きく、環境保全に貢献できる意義深い役割です。

その意味では、もっと給与面も含めて優遇されるべき大切な役目なはずなのです。残念ながら、公害防止業務に関わる企業の給与体系は必ずしもよいとは言えません。今後、この資格を活用した新しい取組を追求する立場として、利活用の可能性を検討して参ります。

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本記事の監修者

1990 年生まれ。慶応義塾大学福澤諭吉文明塾 CP7期生。公共法政策修士(東北大学)。 研究分野はレジリエンスの社会政策。2017年より東日本国際大学・福島復興創世研究所の准教授として福島復興の研究及び環境回復・経済復興・心の復興に係るプロジェクトに携わる。2019年より独立し、オウンドメディアの開発・運用、データ解析、SEO対策などマーケティングに関わるサービスをワンストップで提供。バンタンクリエイターアカデミー、KADOKAWAドワンゴ情報工科学院の講師。福島県総合計画審議委員会の審議員を歴任。

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