公害防止管理者の過去問|令和7年 ばいじん・粉じん特論 問14  問題と解説

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問題14

排ガスの流速をピトー管で計測した際、動圧の測定値が46Paのときの排ガス流速は9.4m/sであった。別の測定点において、このピトー管を用いて動圧を測定したところ、60Paであった。このときの排ガスの流速(m/s)はおよそいくらか。なお、排ガスの密度は変化しないものとする。

  1. 7.2
  2. 8.2
  3. 10.7
  4. 12.3
  5. 16.0

問題14の解答

正解は「3」です。

問題14の解説

この問題は、ピトー管で測定した「動圧」から排ガスの流速を求める計算問題です。ポイントは、流速と動圧の関係は「比例」ではなく「平方根の関係」になっている、という点です。

ピトー管による流速測定では、「流れが速くなるほど動圧は大きくなる」という性質がありますが、2倍速くなると動圧が2倍になるわけではありません

解答に至るまでのステップ

ステップ1 動圧と流速の関係式を確認する

このステップでは、動圧と流速がどのような式で結ばれているかを確認します。なぜなら、この式を正しく使えるかどうかが、この問題のすべてだからです。

ピトー管による流速測定では、次の関係式が用いられます。

動圧 =(1/2)× 密度 × 流速²

この式は、流体力学の基本式であり、JIS Z 8808(排ガス中のダスト濃度測定方法)や環境省の測定マニュアルでも前提として用いられています。

ここで重要なのは、動圧は「流速の2乗」に比例するという点です。

ステップ2 密度が一定であることを利用して式を整理する

次に、問題文の条件を確認します。

「排ガスの密度は変化しないものとする」

これは非常に重要な条件です。密度が同じであれば、先ほどの式は次のように考えられます。

動圧 ∝ 流速²

つまり、動圧の比 = 流速²の比という関係が成り立ちます。このため、次の式を使うことができます。

v2v1=P2P1\frac{v_2}{v_1} = \sqrt{\frac{P_2}{P_1}}

ステップ3 与えられた数値を代入する

ここで、問題文に示された数値を整理します。

  • 基準となる測定点
    • 動圧:46 Pa
    • 流速:9.4 m/s
  • 新しい測定点
    • 動圧:60 Pa
    • 流速:? m/s

これらを式に代入します。

v2=9.4×6046v_2 = 9.4 \times \sqrt{\frac{60}{46}}

まず、分数を計算します。

60461.30\frac{60}{46} \approx 1.30

次に平方根を取ります。1.301.14\sqrt{1.30} \approx 1.14

ステップ4 流速を計算して選択肢と照合する

最後に、流速を求めます。

9.4×1.1410.7(m/s)9.4 \times 1.14 \approx 10.7 \, (\text{m/s})

この値に最も近い選択肢は、

👉 10.7 m/s

したがって、正解は③となります。

問題のポイント

この問題で受験者が最も間違えやすいのは、「動圧が増えた割合=流速が増えた割合」と考えてしまう点です。

たとえば、46 Pa → 60 Pa と増えているので、「約1.3倍だから、流速も1.3倍くらい?」と考えてしまうと、誤答になります。しかし実際には、動圧は流速の2乗に比例しているため、流速は 平方根 を取って求めなければなりません。

また、「密度が一定」という条件が書かれている問題では、 比の計算で解くというのが、国家試験での基本的な解き方です。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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