
公害防止管理者の過去問|令和4年 大気・水質概論 問10 問題と解説
問題10
河道の堆積物に生息する生物は,河川水質を判断する定性的な指標になるといわれている。水質階級と指標生物の組合せとして,不適切なものはどれか。
| 選択肢 | (水質階級) | (指標生物) |
|---|---|---|
| (1) | 強腐水性 | セスジュスリカ |
| (2) | 中腐水性 | サホコカゲロウ |
| (3) | 強腐水性 | サワガニ |
| (4) | 中腐水性 | ヒル類 |
| (5) | 貧腐水性 | ウズムシ類 |
問題10の解答
正解は「3」です。
問題10の解説
解答に至るまでのステップ
- 水質階級と指標生物の概念 – 河川の水質は、生息する水生生物によって貧腐水性(きれいな水)~中腐水性(やや汚れた水)~強腐水性(高度に汚れた水)の階級に分類できます。各階級の代表的な指標生物は以下のとおりです。
- 貧腐水性(水質階級I「きわめてきれい~きれい」):サワガニ、カワゲラ類、カゲロウ類、ウズムシ類(ナミウズムシ)等が生息。これらは高い溶存酸素を好み、汚染に弱い生物です。
- 中腐水性(水質階級II~III「やや汚い~汚い」):ヒル類、サカマキガイ、ミズムシ、ユスリカの一部などが該当。中程度の有機汚濁に耐性を持つ生物です。
- 強腐水性(水質階級IV「非常に汚い」):赤虫(ユスリカ類の幼虫、赤色)、セスジユスリカ等のユスリカ科、チュウメンカワゲラ(汚泥の中でも生息)などが見られます。これらは低酸素でも生存できる汚濁耐性生物です。
- 選択肢ごとの検討:
- (1) 強腐水性:セスジユスリカ – セスジユスリカは赤いユスリカ幼虫で、汚泥中にも生息できる強腐水性指標生物です。適切な組合せです。
- (2) 中腐水性:サホコカゲロウ – サホコカゲロウ(カゲロウの一種)は比較的きれいな流水域にも現れますが、やや汚れた水にも耐える種類とされます。中腐水性生物と考えて大きな誤りではありません。
- (3) 強腐水性:サワガニ – サワガニはきれいな渓流に生息する代表的な貧腐水性生物です。「強腐水性(水がひどく汚い環境)でサワガニが見られる」というのは明らかに不適切です。
- (4) 中腐水性:ヒル類 – ヒル類(例:チスイビル等)は中程度の汚濁水域にも適応して生息できるため、中腐水性の指標生物に挙げられます。適切な組合せです。
- (5) 貧腐水性:ウズムシ類 – ウズムシ(プラナリア)はきれいな水を好み、汚染に弱い生物です。貧腐水性(水質階級I)の指標生物として適切です。
- 不適切な組合せの決定 – 上記より誤っているのは(3)「強腐水性:サワガニ」です。サワガニは水質階級I~IIに対応する生物であり、強腐水性水域には生息できません。他の選択肢の組合せは概ね適切です。
問題のポイント
水生生物による水質判定の基礎知識が問われています。特にサワガニは清流の象徴とも言える指標生物で、きれいな水(貧腐水性)で見られるものです。
一方、強腐水性の水域はユスリカ幼虫などの汚濁耐性生物が主体であり、サワガニのような清水性生物は生息できません。問題ではサワガニを敢えて「強腐水性」に入れることで誤りを作り出しています。
代表的な指標生物と水質階級の正しい対応(例えば「サワガニ=きれいな水」、「ヒル=やや汚い水」、「赤いユスリカ=汚い水」)を覚えておくことがポイントです。


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