公害防止管理者の過去問|令和6年 ばいじん・粉じん特論 問7  問題と解説

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問題7

パルスジェット形払い落とし装置を用いるバグフィルターに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 集じん室を多室に区切らなければならない。
  2. 含じんガスは、常にろ布の外側から流入する。
  3. 払い落とし用の圧縮空気は、ろ布上部から瞬時に吹き込まれる。
  4. 一般にろ過速度を大きくすることができる。
  5. 一般にガス流量の変動が小さい。

問題7の解答

正解は「1」です。

問題7の解説

解答に至るまでのステップ

ステップ1 原理・原則:バグフィルターと「パルスジェット形払い落とし」を言葉から整理します

まず専門用語を、初学者でも判断できる形にほどきます。

  • バグフィルター:布(ろ布)でガス中の粉じんをこし取る集じん装置です。粉じんはろ布の表面にたまって「粉じん層(ダストケーキ)」を作り、これが高い捕集に役立ちます。
  • 払い落とし:たまった粉じん層を落として、圧力損失(風の通りにくさ)の増加を防ぐ操作です。
  • パルスジェット形:ろ布の内面(清浄側)に圧縮空気を瞬間的に吹き込み、ろ布を振動させ、逆洗効果で粉じんを落とす方式です。国立環境研究所の解説でもこの方式が明記されています。

この方式は「ほとんど連続操作」で用いられる、と国立環境研究所が説明しています。ここが、選択肢1(多室に区切らなければならない)を見抜く鍵になります。

ステップ2 選択肢1を判定します(誤りの特定)

1. 集じん室を多室に区切らなければならない。
誤りです。

多室に区切る(複数室に分割する)必要が強いのは、払い落としのときにろ過を止める必要がある方式(例:機械振動など)です。一方、パルスジェット形は、国立環境研究所が「ほとんど連続操作」と述べている通り、運転を止めずに払い落としを行えるのが特徴です。

したがって「多室に区切らなければならない(必須)」という断定は成り立ちません。多室構造を採る設計例はあり得ますが、“必ず必要”ではないため、この肢が誤りです

ステップ3 残りの選択肢(2〜5)を、根拠に基づいて正誤判定します

2. 含じんガスは、常にろ布の外側から流入する。
正しいです。

国立大学(名古屋工業大学)の学位論文(機関リポジトリ公開)では、「パルスジェット方式のバグフィルターは…ろ布の外面をろ過面とし、含塵ガスは…ろ布外面でろ過される」と記載されています。つまり、含じんガスは外側からろ布へ当たり、外面側で捕集される(外側→内側に透過)という説明で、この選択肢は妥当です。「常に」という表現は強いですが、試験で問う“パルスジェット形”の代表的構造としてはこの理解で正解になります。

3. 払い落とし用の圧縮空気は、ろ布上部から瞬時に吹き込まれる。
正しいです。

環境省資料では、バグフィルターの払い落とし(逆洗)の例として、「ろ過筒の上部から圧縮エアを瞬間的に噴射…パルスジェット気流をつくり…払い落とす」旨を記しています。 したがって、「上部から」「瞬時に」という特徴づけは、パルスジェットの説明と整合します。

4. 一般にろ過速度を大きくすることができる。
正しいです。

「ろ過速度」とは、(処理ガス流量)÷(ろ布面積)で表す「ろ布1㎡あたりをどれくらいの速さでガスが通るか」の指標です(専門的には空気布比、Air-to-Cloth Ratio に対応する考え方です)。

国立環境研究所の解説ページでは、払い落とし方式ごとのろ過速度の目安を表で示しており、パルスジェット方式では 1.0〜4.0(単位は表の定義による)と、機械振動方式等より大きい範囲が示されています。 よって「一般にろ過速度を大きくできる」は正しいです。

5. 一般にガス流量の変動が小さい。
正しいです(“連続操作”に基づく一般論として)。

パルスジェット方式は、国立環境研究所が「ほとんど連続操作」と述べている通り、払い落としのために装置(室)を切り替えて停止させる必要が小さい方式です。

そのため、運転上は「ろ過を止める/止めない」による大きな流量変動を生じにくく、安定運転(変動が小さい)になりやすいという説明として妥当です。

流量そのものはファン制御やプロセス条件にも依存しますが、試験文脈では「払い落とし方式の特徴として変動が小さい」という理解を問うていると解釈できます。

問題のポイント

  • パルスジェット形は「圧縮空気を瞬間的に吹き込み、ろ布の振動と逆洗効果で払い落とす」方式です。
  • この方式はほとんど連続操作で使える点が重要で、「多室に区切らなければならない」といった“必須”表現は疑うべきです。
  • 外面ろ過(外側→内側)がパルスジェット式の代表的構造として押さえどころです。
  • ろ過速度は「流量÷ろ布面積」の考え方でパルスジェットは比較的大きく取れることが示されています。

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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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