
公害防止管理者の過去問|令和4年 ばいじん・粉じん特論 問12 問題と解説
問題12
平成元年環境庁告示第93号に基づき、石綿濃度の測定を行い、以下の条件で156本の石綿繊維が計数された。このときの石綿濃度(本/L)はいくらか。
- 捕集用ろ紙の有効ろ過面の面積:10cm2
- 顕微鏡の視野の面積 :0.001cm2
- 計数を行った視野の数 :100視野
- 採気量 :2400L
- 0.3
- 4.6
- 6.5
- 13
- 15.6
問題12の解答
正解は「3」です。
問題12の解説
解答に至るまでのステップ
ステップ1:石綿濃度の算出式を確認する
厚生省告示(平成元年告示)や JIS の考え方に基づく石綿測定では、空気中の石綿濃度 C(本/L)を、次式で求めます。
ここで、
- :計数された繊維本数(本)
- :ろ紙の有効ろ過面積(cm2)
- :計数した視野数(視野)
- :顕微鏡 1 視野あたりの面積(cm2)
- :採取した空気の体積(L)
です。
この式は、ろ紙全体に付着した繊維総数を推計し、それを採取空気量で割って濃度(本/L)を求める考え方です。
ステップ2:与えられた値を式に代入する
与えられている値:
- N=156 本(計数された石綿繊維数)
- Afilter=10 cm2(ろ紙有効ろ過面積)
- n=100 視野(計数視野数)
- Afield=0.001 cm2(1視野面積)
- V=2400 L(採取空気量)
まず、顕微鏡で観察した総面積は
です。
これは、ろ紙全体 10 cm2 のうち
すなわち 1% に相当します。
したがって、100視野で 156 本見えたなら、ろ紙全体ではその 100 倍 と推計でき、
となります。
次に濃度は、空気 中に なので、
となります。
ステップ3:選択肢の照合
計算結果は 6.5 本/L であるため、該当する選択肢(6.5 本/L)を選びます。
問題を解くポイント
(1) 計数結果のスケールアップ
顕微鏡で観察できるのは、ろ紙全体の一部です。そこで、
- 「観察した面積 が、ろ紙面積 の何割か?」をまず求め、計数本数 を 面積比で外挿して、ろ紙全体の繊維本数を推計するのがポイントです。
本問では、観察面積 0.1 cm はろ紙 10 cm2の 1% なので、156 本 → 100 倍して 15,600 本とします。
(2) 単位の整頓
面積は cm で統一し、空気量は L で扱います。この問題では「面積比」を用いるため、面積単位は 比で相殺されます。最後に (L)で割ることで、結果が 本/L になります。
(3) 桁の見当をつける
石綿濃度は、条件によって 数本/L~数十本/L 程度になることが多いです。本問では「156 本を 2400 L で割る」だけだと小さすぎますが、実際は、ろ紙全体へ外挿(100倍)が必要です。外挿後の となるため、桁感としても妥当です。


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