
公害防止管理者の過去問|令和3年 汚水処理特論 問1 問題と解説
問題1
水理学的滞留時間4時間、容積200m3、深さ4mの横流式沈殿池に流入する沈降速度が(ア)2cm/min、(イ)1cm/min、(ウ)0.2cm/minの3種類の粒子の除去率(%)の組合せとして、正しいものはどれか。
ただし、沈殿池内に乱れや短絡がなく、水の流れは平行であり、かつ沈降の過程で沈降速度が変わることがないものとする。
| 選択肢 | ア | イ | ウ |
|---|---|---|---|
| 1 | 100 | 100 | 90 |
| 2 | 100 | 90 | 18 |
| 3 | 100 | 60 | 12 |
| 4 | 90 | 45 | 9 |
| 5 | 60 | 30 | 6 |
問題1の解答
正解は「3」です。
問題1の解説
この問題は条件に「乱れ・短絡なし」「平行流」「沈降速度一定」とあります。これは “理想的な沈殿池” の前提で、こういうときは次の超シンプルな原則で解けます。
原則:粒子が沈む速さ(Vs)と、沈殿池が水を通す速さ(V0)を比べるだけです。
- 粒子が沈むほうが速い(Vs ≥ V0)→ 全部沈む=100%除去
- 粒子が沈むほうが遅い(Vs < V0)→ 沈む割合だけ除去=Vs / V0(%に直す)
ここでの V0 は「沈殿池の“基準の速さ”」みたいなものです。V0 は 表面越流率(Q/A) と呼ばれます。
ステップ1:沈殿池を上から見た面積 A を出す
- 容積:200 m³
- 深さ:4 m
容積 = 面積 × 深さ なので、「面積 A = 容積 ÷ 深さ」です。
200 ÷ 4 = 50 m²
ステップ2:流量 Q を出す
- 滞留時間:4時間:「200 m³ の水が4時間で入れ替わる」という意味です。
流量 Q = 容積 ÷ 滞留時間
200 ÷ 4 = 50 m³/時
ステップ3:V0(表面越流率)を出す
V0 = 流量 Q ÷ 面積 A
50 ÷ 50 = 1 m/時
ここまでで「この沈殿池の基準の速さは 1 m/時」と分かりました。
ステップ4:粒子の沈降速度を m/時 にそろえる(ここが一番大事)
問題の沈降速度は cm/分 です。V0 は m/時 なので、単位をそろえます。
換算のルールはこれだけです。
- cm → m:100で割る
- 分 → 時:60を掛ける
(ア) 2 cm/分
2 cm = 0.02 m
0.02 m/分 × 60 = 1.2 m/時
(イ) 1 cm/分
1 cm = 0.01 m
0.01 × 60 = 0.6 m/時
(ウ) 0.2 cm/分
0.2 cm = 0.002 m
0.002 × 60 = 0.12 m/時
ステップ5:除去率を出す(Vs と V0 を比べるだけ)
V0 は 1 m/時 でした。
(ア) Vs = 1.2 m/時
1.2 ≥ 1 → 100%
(イ) Vs = 0.6 m/時
0.6 < 1 → 0.6 / 1 = 0.6 → 60%
(ウ) Vs = 0.12 m/時
0.12 < 1 → 0.12 / 1 = 0.12 → 12%
よって (ア100、イ60、ウ12) となり、選択肢 3 が正解です。
問題を解くポイント
- 理想沈殿池(乱れなし等)と書いてあれば「Vs と V0 の比」で解く。
- V0 は Q/A。
- A は「容積÷深さ」
- Q は「容積÷滞留時間」
- 単位換算が勝負。
cm/分 → m/時 は「÷100して×60」。


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