公害防止管理者の過去問|令和3年 ダイオキシン類概論 問6 問題と解説

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問題6

ダイオキシン類に関する記述として,誤っているものはどれか。 

  • ⑴ ダイオキシン類は,PCDDs,PCDFs 及びコプラナー PCBs の総称である。 
  • ⑵ PCDDs は 2 個のベンゼン環が 2 個の酸素原子により結合した構造であり,ベンゼン環の炭素に結合している 1 ~ 8 個の水素が塩素に置換された化合物で ある。 
  • ⑶ PCDFs は 2 個のベンゼン環が 1 個の酸素原子により結合した構造であり,ベンゼン環の炭素に結合している 1 ~ 10 個の水素が塩素に置換された化合物 である。 
  • ⑷ PCBs は 2 個のフェニル基が結合した構造であり,ベンゼン環の炭素に結合している 1 ~ 10 個の水素が塩素に置換された化合物である。 
  • ⑸ コプラナー PCBs は PCBs のうち, 2 個のベンゼン環が共平面構造を持つ化合物である。

問題6の解答

正解は「3」です。

問題6の解説

本問は、「ダイオキシン類」を構成する各群(PCDDs、PCDFs、コプラナーPCBs)について、定義(何を含むか)化学構造(骨格と塩素置換数の上限)が正しいかを問う基礎問題です。

⑴ ダイオキシン類は,PCDDs,PCDFs 及びコプラナー PCBs の総称である。

正しい。日本の法令(ダイオキシン類対策特別措置法の運用上の説明資料)では、ダイオキシン類を PCDDs と PCDFs にコプラナーPCBsを加えたものとして整理しています。

⑵ PCDDs の構造と塩素置換数(1~8個)

正しい。PCDDs(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン)は、2つのベンゼン環が2個の酸素原子で結合した骨格(ジベンゾ-p-ジオキシン骨格)を持ち、塩素はベンゼン環上の置換位置(最大8か所)に入ります。環境省の解説資料でも、PCDDs(およびPCDFs)が多数の異性体を持つこと、骨格がベンゼン環+酸素結合であることが図示・説明されています。

⑶ PCDFs の塩素置換数(1~10個)

誤り(これが正答)。PCDFs(ポリ塩化ジベンゾフラン)は、2つのベンゼン環が“1個の酸素原子を含むフラン環構造”で連結された骨格(ジベンゾフラン骨格)です。ここで重要なのは 塩素が置換できる位置の最大数です。

  • PCDFs も PCDDs と同様に、塩素の置換位置は環上で最大 8か所であり、「1~10個」は PCB(ビフェニル骨格)の最大置換数と混同しています。
  • 国内の解説資料でも、PCDDs と PCDFs は「基本骨格上の水素原子が 1~8個 塩素に置換した分子の総称」という整理が示されています。

したがって、⑶の「1~10個」は誤りで、正しくは 1~8個です。

⑷ PCBs の構造と塩素置換数(1~10個)

正しい。PCBs(ポリ塩化ビフェニル)は、2つのベンゼン環(フェニル基)が単結合でつながった“ビフェニル骨格”で、置換可能な水素は合計10個あるため、塩素置換数は 1~10(モノ~デカ)となります。環境省のPCB関連ガイドラインでも同趣旨(ビフェニルの水素が塩素に置換した化合物の総称)が説明されています。

⑸ コプラナーPCBs は、2個のベンゼン環が共平面構造を持つ化合物である。

正しい。コプラナーPCBs(dioxin-like PCBs)は、PCBsのうち2つのベンゼン環が(立体障害が小さく)比較的共平面(コプラナー)になりやすく、ダイオキシン類と同様の毒性(作用様式)を示し得る群として整理されます。公的機関の解説でも、コプラナーPCBが平面構造を取りやすい旨が説明されています。

問題を解くポイント

  1. 「ダイオキシン類」= PCDDs + PCDFs + コプラナーPCBs(日本の法令整理)をまず固定する。
  2. 塩素置換数の上限をセットで暗記する:
    • PCDDs / PCDFs:最大 8(置換位置が8か所)
    • PCBs:最大 10(ビフェニルで水素が合計10)
  3. 本問は典型的に「PCDFsを10と誤記」させて引っかける(⑶がこれ)。
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本記事の監修者

ISEED編集部は、環境技術、環境倫理、環境に関する資格について読者に有益な情報を調査・配信しています。記事制作においてリサーチ、構成、ライティング、編集、グロースハックの仕組みを適切に設計することで読者にわかりやすい文章を作ることを心がけています。

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