
エネルギー管理士を取っても意味ない?資格取得のメリットや将来性を解説

エネルギー管理士を目指すにあたって、資格の価値をちゃんと知りたいと思うのは自然なことです。実際、世の中には取得しても使い道のない資格がたくさんあります。果たして、エネルギー管理士は取るに値する資格なのでしょうか?
この記事では、「エネルギー管理士を取っても意味ない?」という疑問について考察しています。また、エネルギー管理士を取得するメリットや将来性にも言及しているので、これからエネルギー管理士になろうと考えている人たちは参考にしてみてください。
エネルギー管理士とは?
エネルギー管理士とは、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」に定められた国家資格であり、工場の電気や熱などのエネルギーを管理するプロフェッショナルです。
その目的は、「省エネの推進」にあります。エネルギーの使用状況を確認する過程で把握される無駄を把握して、具体的な改善策を講じる役割を果たすわけです。
職場では、「エネルギー管理者」として権威ある立場に位置付けられ、従業員はエネルギー管理者の指示に従わなければいけないことが規定されています。その意味では、省エネを司る専門家として一定の地位がある立場だと言えるでしょう。
エネルギー管理士を取っても意味ない?
結論から言えば、エネルギー管理士の資格取得は、省エネ法に基づく実務として必要とされる場面が増えていることから大きな意味があると言ってよいでしょう。
特に、2023年に省エネ法が改正された際に、エネルギー管理士の対応範囲が「省エネ(合理化)」に加えて、「非化石転換」と「電気需要最適化(DR)」に拡張されたことから、「エネルギーミックス設計・需要の時間最適化」へ寄っており、エネルギー管理士の重要性が増しています。
当然ながら、資格を取得しただけで人生が劇的に変わるわけではありません。むしろ、資格を取得してから実務経験を積んでいきながら、高度な専門技術に裏付けられたエネルギー管理業務を実施できるようになって、はじめて自分にとっても、社会にとっても意味のある資格になります。
エネルギー管理士を取得するメリット
それでは、エネルギー管理士を取得するメリットをもう少し具体的に説明していきます。
メリット1 法律に基づく職業的安定性
第1に、エネルギー管理士は一定の基準に該当する現場に必ず置かなければいけないという法律に裏打ちされた職業的安定性があります。
具体的に言うと、年度間エネルギー使用量(原油換算)3,000kL/年以上の第一種区分では、工場等ごとにエネルギー管理者または管理員が求められ、エネルギー管理者の資格要件としてエネルギー管理士が明示されているわけです。
さらに、事業者全体で原油換算1,500kL/年以上となる特定事業者の枠組みでは、エネルギー管理統括者・エネルギー管理企画推進者の選任、定期報告書・中長期計画書の提出が義務となっています。
以上のことから、エネルギー管理士には、景気変動に左右されにくいコンプライアンス起点の需要があるので、資格取得者が働く場所を確保しやすいと考えられるのです。
メリット2 手当の発生
第2に、エネルギー管理士を取得することによって、自分が働く企業から資格手当を得られるというメリットがあります。
資格手当の金額は企業によって異なります。相場は1ヶ月当たり5,000円〜30,000円程度の支給と幅があるのが実情です。例えば、1ヶ月30,000円の手当がある場合、年間で36万円の給与増加が見込めるわけです。サラリーマンとして働いている以上、昇進以外に所得が増える機会は少ないですから、大きな利点のひとつと言えるでしょう。
転職する際に、エネルギー管理士の資格保持者に支給される手当の金額を確認することで、「その企業が従業員の資格学習に対して意欲的なのか?」を判断できるので、チェックすることをおすすめします。
メリット3 他の資格の優遇措置
第3に、エネルギー管理士の資格を持っていることで、他の環境技術系の国家資格を受験するときに一部の試験が免除されるというメリットもあります。具体的には、以下の資格では、エネルギー管理士の免状があることで一定の優遇措置や権利を受けられるようにあります。
| エネルギー管理士の有資格者が優遇される資格 | 内容 |
|---|---|
| 公害防止管理者 | 免状の提出により、資格認定講習の受講が可能になる場合がある。 |
| ボイラー・タービン主任技術者1種・2種 | 申請資格としてエネルギー管理士の熱分野が認められている。 |
エネルギー管理士を入り口として、他の国家資格を複数取得することによって、広範囲の専門性を有する高度人材としてポジションを確立できるのは大きな利点です。実際、環境に関する知識は体系的に重複していますから、プロとして重宝される立場を築きやすくなるでしょう。
エネルギー管理士を取得するデメリット
一方で、エネルギー管理士を取得するデメリットなんて存在するのでしょうか?
これに関しては、エネルギー管理士の資格を取っても、それだけでは免状を得られないという点が最大のデメリットです。実のところ、エネルギー管理士の免状交付には、関連業務に関する実務経験1年という条件があります。
(合格者に対する免状の交付)第6条経済産業大臣又は指定試験機関は、試験に合格しエネルギーの使用の合理化に関する実務に一年以上従事した者に対して、免状を交付する。
「エネルギー管理士免状の交付に関するご案内」より引用
以上のことから、実務経験をこれから積む人たちにとっては、エネルギー管理士の資格試験に合格してからがスタートなわけです。せっかく試験に受かったのにもかかわらず、免状を得られないのは残念な気持ちになる人もいるかもしれません。
とはいえ、すべての環境技術系の資格は実務との結びつきがあってはじめて機能します。その意味では、実務経験の有無を免状交付の条件にすることで、有資格者の品質を一定レベルに保っているというプラスの側面もあるのも事実です。
なお、免状は得られませんが、受験者全員に合否の通知が届くので、それでエネルギー管理士の国家試験に受かった事実を証明すること可能です。
エネルギー管理士に将来性はあるのか?
結論から言えば、エネルギー管理士には職業上の将来性があると考えられます。なぜなら、我が国におけるエネルギー政策において、次に挙げる3つの方向性がある程度固まっているからです。
- その1 国の脱炭素・GX政策が長期目標として固定化されている。
- その2 改正省エネ法によって非化石展開と電気需要最適化が制度実務として盛り込まれている。
- その3 製造業以外も含む広い業種・建物に関わる専門資格としての地位を確立する可能性が高い。
ひと昔前までは、環境と経済は対立的に捉えられていましたが、今となっては環境に配慮した事業運営は上場企業をはじめ社会の第一線で活躍する事業者にとってマスト項目となっています。それを踏まえると、環境技術系の資格、なかんずくエネルギー管理士が果たす役割も大きくなるに違いありません。
もちろん、資格を取るだけでは意味がありません。しかし、環境という文脈が強く意識され始めてきた今日を鑑みれば、有資格者が選択できる資格を活かす道は多様化していく可能性が非常に高いと言えます。意味がないどころか、これから益々、果たすべき役割が大きい未来のある資格なのです。
これからが注目の資格
昨今の環境行政に関する変化を考慮すれば、エネルギー管理士はこれからが面白くなる国家資格となるはずです。受験を考えている人たちは具体的なキャリアを展望しながら、資格を活かす道を考えてみると、より勉強のモチベーションが上がるかもしれません。
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