エコ検定が意味ないと言われる理由|メリットや何に使えるかを解説!

エコ検定が意味ないと言われる理由|メリットや何に使えるかを解説!
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みなさんのなかには、エコ検定(eco検定)を取得しようと考えている人たちもいるはずです。しかし、ネット社会では「エコ検定を取っても意味ない」という否定的な意見が散見されます。当然、一部の人の意見に過ぎないわけですが、そこにはどのような意図があるのでしょうか?

この記事では、エコ検定が意味ないと言われる理由について説明していきます。また、エコ検定を取得するメリットや用途にも言及しているので、これから資格試験に挑戦しようと考えている人たちは参考にしてみてください。

目次

エコ検定とは?

エコ検定とは、環境問題に関する幅広い知識を習得して、企業活動や日常生活の中で持続可能な社会づくりに貢献する人たちを育むことを目的とした検定試験です。正式名称は「環境社会検定試験」と言います。2006年に創設されて以来、累計受験者数は50万人を超えており、人気な民間資格となっています。

エコ検定を運営する東京商工会議所の公式HPによると、出題範囲は「公式テキスト」に準ずることになっています。それに加えて、最近の時事問題を出てくるので、教科書通りの勉強だけでは不十分であると言われています。その意味では、広範囲な環境に関する知識が問われる試験であると言えるでしょう。

なお、100点満点で70点以上を獲得すれば「合格」になります。

エコ検定が意味ないと言われる理由

さて、X(旧Twitter)を見ると、エコ検定に対して「意味がない」というネガティブな意見が散見されます。果たして、どうしてエコ検定の意義を問う声があるのでしょうか?

ここでは、3つの視点から説明していきたいと思います。

理由1 企業によって評価が異なる

第1に、環境に対する意識のあり方は各企業によって異なるので、エコ検定の取得が必ずしも評価されるわけではないという理由があります

環境と経済活動の両立は持続可能な社会のあり方を考える上で避けて通れません。しかし、だからと言って、日本国内の企業が環境を配慮した事業推進を優先しているとは限らないのです。むしろ、法的に定められた要件を遵守すること以外は無関心な企業の方が圧倒的に多いのが実情です。

そのため、エコ検定を取得しているからといって採用面で優遇されるとは言い難く、資格がキャリアにとってプラスにならないことも多いのです。その結果、受験者の中には、「無意味な資格」というレッテルを貼ってしまう人もいると推察されます。

理由2 特定の技術を証明するわけではない

第2に、エコ検定は特定の技術を証明するわけではないので、資格を取得したからといって「環境保全に関して科学的根拠に基づく何かしらの活動を具体的にできる」というわけではありません。あくまでも、環境に関する一定の知識があることを示すだけに過ぎないわけです。

したがって、実践的な要素はどうしても欠けています。

けれども、環境問題が深刻化している現在、持続可能な社会のあり方を考える意義は決して失われることはありません。すなわち、その前提の知識を習得する機会としてエコ検定を受けることは意味のある選択になると言って良いでしょう。

そもそもエコ検定に限らず、環境関連の資格には技術ではなく「特定の領域に関して教養を有すること」を示すものがいくつかあります。知識それ自体は活用されない限り、価値を生み出すことはできません。しかし、まずは知らないと考えることもできないのです。

理由3 資格の希少性が低い

第3に、エコ検定は合格率が高いことから資格の希少性が低いので、取得する価値がないと考えている人たちもいるようです

東京商工会議所が公開する「2024年試験結果(全国分)」を見ると、エコ検定の合格率は50%を超えています。すなわち、受験者の2人に1人がエコ検定の取得に成功しているわけです。

シーズン・試験回受験者数(人)実受験者数(人)合格者数(人)合格率
第1シーズン
第36回
18,05916,4879,61158.3%
第2シーズン
第37回
19,16717,55310,26858.5%
2024年度
合計
37,22634,04019,87958.4%
東京商工会議所「eco検定(環境社会検定試験)®とは」より引用

そもそも、エコ検定は「社会全体で環境に対する意識を高める」という役割も担っています。その意味では、希少性の高さが検定の価値ではないのです。むしろ、エコ検定は一人でも多くの合格者を輩出できるような環境学習体系を組んでいることに意味があると言って良いでしょう。

エコ検定を取得するメリット

しかしながら、エコ検定の取得には、さまざまなメリットがあるのも事実です。

ここでは、3つの利点を説明してきます。

メリット1 環境の知識を全体的に学べる

はじめに、エコ検定は環境に関する知識を幅広く学ぶきっかけになるというメリットがあります

実際、エコ検定のテキストを見ると、まさに「環境知識の基本書」と言えるほど広範囲の目次が組まれていることがわかります。具体的には、東京商工会議所が出版している『eco検定(環境社会検定試験)®公式テキスト』の目次を見てみましょう。

目次

第1章
持続可能な社会に向けて
第2章
地球を知る
2-1 地球の基礎知識
2-2 いま地球で起きていること
第3章
環境問題を知る
3-1 気候変動と脱炭素社会
3-2 エネルギー
3-3 生物多様性・自然共生社会
3-4 地球環境問題
3-5 循環型社会
3-6 地域環境問題
3-7 化学物質
3-8 放射性物質
第4章
持続可能な社会に向けたアプローチ
第5章
各主体の役割・活動
5-1 各主体の役割・活動とパブリックセクター
5-2 企業の環境への取り組み
5-3 個人の行動
5-4 NPO、各主体の連携
第6章
エコピープルへのメッセージ

東京商工会議所「公式テキスト・学習サポート」より引用

上記の引用からも明らかなように、環境に関する体系的な学習を可能とする内容になっています。これから環境について本格的に学ぶ人にとってエコ検定は学びの入り口として適切なのです。

メリット2 環境に関心があることを示せる

続いて、エコ検定の取得は環境に関心があることを明示できるというメリットがあります

例えば、履歴書に「エコ検定」と記載すると、採用担当者は「環境に興味を持っている人である」という印象を持つ可能性があるわけです。もし、その人が環境意識の高い素養の持ち主なら好印象を持つかもしれません。

加えて、SDGsをはじめ環境保全に関する具体的な取り組みに注力している企業からすれば、エコ検定を保持していることで社風に合っていると判断する材料になることもあるでしょう。いずれにしても、あなた自身が環境に何らかの積極的な意識を持っていることを伝えられるのです。

メリット3 エコピープルとして活動できる

終わりに、エコ検定の合格者を支サポートする「エコピープル支援事業」を利用することができます

エコ検定に合格した人たちを「エコピープル」と呼ぶそうです。いわゆる、コミュニティ事業なわけですが、エコピープルが環境に対して行動するためのサポート事業が提供されています。限定イベントや自身の活動紹介など、合格者ならではのメリットがあるのです。

エコ検定は何に使えるか?

それでは、エコ検定は結局のところ何に使えるのでしょうか?

ここでは代表的な用途を表にまとめていきます。

用途 活かし方 実感・メリット(取得者の声)
職場での活用 環境配慮やサステナビリティを意識した提案・発言ができるようになる。 社内の省エネ施策や分別改善、環境報告書づくりに意見を出せるように。 「自分の知識が会議で役立った」「社内プロジェクトで環境担当を任された」など、 小さな行動から信頼が生まれる実感がある。
転職・キャリア形成 履歴書や面接で「環境に関心を持ち、継続的に学んでいる姿勢」を示せる。 特にESG・CSR・広報など、環境をキーワードにした職種でアピールに繋がる。 「面接で話が広がった」「SDGsを理解していると評価された」など、 知識だけでなく“考える力”として評価されるケースが多い。
地域・社会活動 自治体の環境イベントやボランティア活動で、リーダー的役割を果たせる。 環境啓発のワークショップで講師やアドバイザーとして関わる人も増えている。 「子どもたちに環境を教えるきっかけになった」「地域の会議で意見が言えるようになった」など、 社会貢献の実感を持てる。
日常生活 家庭の電気使用量、食材ロス、買い物など、日常の選択を意識的に見直せる。 知識が習慣に変わり、エコな暮らしが自然に定着していく。 「無理せず続けられるエコ習慣が身についた」「家族と環境の話をする機会が増えた」。 生活の中での“気づき”が増えるのを感じる。
資格・学びの次のステップ エコ検定をきっかけに環境管理士や気候変動検定など、上位資格へ挑戦する人も多い。 専門職だけでなく、教養としてのステップアップにもつながる。 「次の学びの入り口になった」「環境を軸にキャリアを広げたいと思えるようになった」。 学ぶ楽しさを再発見できる。

エコ検定を活かすのは合格者次第

近年、エコ検定は企業でも従業員の環境教育として取得を奨励するようになってきました。環境と経済はトレードオフになりやすい関係ですから、一人ひとりが地球環境の保全のために学ぶ機会があることは良いことです。

そのきっかけ作りを推進しているのが「エコ検定」ですから決して意味がないわけではないのです。もっと言えば、どのような資格も活動を通じて活かされていくわけですから持っているだけでは意味がありません。すなわち、エコ検定の価値は合格者次第で決まるわけです。

本メディアでも「エコ検定」の受験者や合格者にフォーカスした活動を別途、企画中です。皆さんの環境に関する学ぶや活動をバックアップできるように努めて参りますので、引き続きよろしくお願いします。

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本記事の監修者

1990 年生まれ。慶応義塾大学福澤諭吉文明塾 CP7期生。公共法政策修士(東北大学)。 研究分野はレジリエンスの社会政策。2017年より東日本国際大学・福島復興創世研究所の准教授として福島復興の研究及び環境回復・経済復興・心の復興に係るプロジェクトに携わる。2019年より独立し、オウンドメディアの開発・運用、データ解析、SEO対策などマーケティングに関わるサービスをワンストップで提供。バンタンクリエイターアカデミー、KADOKAWAドワンゴ情報工科学院の講師。福島県総合計画審議委員会の審議員を歴任。

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